Android 3.0を搭載したタブレット端末として国内で最初に登場したLG Electronics Japanの「Optimus Pad L-06C」。8.9型ワイドというユニークなサイズの液晶を搭載したこのタブレットの実力を、XOOM Wi-FiやiPadとの比較を交えながらレビューする。
NTTドコモから3月31日に発売された「Optimus Pad L-06C」(以下Optimus Pad)は、Android 3.0を搭載したタブレット端末としては国内初の製品だ。メーカーはLG Electronics Japanで、3G回線を搭載し、spモードなどNTTドコモならではのサービスにも対応している。発売元となるNTTドコモでは、本製品をスマートフォンのひとつとしてラインアップしている。
同じくAndroid 3.0搭載のタブレットとしては、翌4月にKDDIからモトローラ製の「XOOM Wi-Fi」が発売されているが、ほぼ同時期に発売されたこれら2機種にはどのような共通点、あるいは違いがあるのだろうか。遅ればせながら製品版を使用してみたので、レビューをお届けしたい。
Optimus Padを手にして驚くのは、これまであまりお目にかかったことがない画面サイズであることだ。タブレットの代表格ともいえるiPadの9.7型に対し、Optimus Padは8.9型。ワイド比率ということもあり、実際に手にとった印象では、iPadと比べ一回り、いや二回りは小さい。フットプリントは約150×243ミリなので、初代iPad(189.7×242.8ミリ)に比べると、横幅はほぼ同じでスリムなボディといえる。
しかし、重量はかなりずっしりとしている。Optimus Padの重量は約620グラムで、初代のiPad(約730グラム:Wi-Fi+3Gモデル)やXOOM Wi-Fi(約700グラム)に比べると軽量だが、iPad2のWi-Fi+3Gモデル(613グラム)をわずかに上回る。ボディが細長いこともあり、手に持った際は、実際の値以上に重く感じられてしまう印象だ。
iPad2よりも細長いにもかかわらず重量があるのは、その厚みのためだ。Optimus Padは最厚部で約14.1ミリ、最薄部で12.8ミリと、初代iPad(13.4ミリ)と比較すれば十分に立ち回れる厚さだが、iPad2(8.8ミリ)に比べるとかなり厚い。ちなみに同じAndroid 3.0タブレットであるXOOM Wi-Fiとはほぼ同じ厚みだ。
ハードウェアスペックは、CPUにデュアルコアで駆動するNVIDIA Tegra2(1GHz)を搭載、RAMは1Gバイトと、XOOM Wi-Fiと同一だ。また、メモリは32Gバイト内蔵しているほか、microHDMI端子を搭載するなど、XOOM Wi-Fiと似通っており、同じリファレンスを基に作られていることがうかがえる。
ただし、XOOM Wi-Fiとの違いは随所に見られる。分かりやすいところでは、3G回線を搭載していること(XOOMにも3G回線を搭載したモデルが存在するが、国内では販売されていない)。また、背面に約510万画素のデュアルカメラを搭載しており、流行りの3D映像を撮影可能なことも、大きな違いとして挙げられる。また、スピーカーが計3基搭載されており、縦位置でも横位置でもステレオで聴けるというのもユニークで、マルチメディア志向の強いタブレットだといえる。
このほか、XOOM Wi-FiがBluetooth v2.1なのに対して、Optimus Padはv3.0である点も違いとして挙げられる。その一方でXOOM Wi-Fiで搭載されているmicroSDスロットは用意されていないのだが、本稿執筆時点ではXOOM Wi-FiのmicroSDスロットもまだ利用可能になっていないため、XOOM Wi-Fiとの比較という意味では、評価の決め手にはなりづらい。
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