タッチパネルの操作はAndroidやiOS端末とほぼ同じで、画面中央をタップでメニューが表示される。画面中央から左側をタップでページめくり、戻る場合は右端、タップ&ホールド(長押し)で範囲選択やメモなどのオプションメニュー表示となっている。
フォントの大きさや種類(明朝とゴシック)、行間や余白の調整、背景色の変更などもできる。[読み上げ機能]もあるようだが、著者の所有しているコンテンツで対応しているタイトルはなかった。
「Amazonのコンテンツ配信サービスを利用する専用タブレット端末」としては非常によくできている。問題は、Amazonアプリストアが始まったばかりということもあるが、例えばGoogleのGmailやMapsといった人気アプリが利用できないこと。今後配信されるかどうかは未知数だ。だから、過去にGoogleアカウントやAppleIDで積み重ねてきた資産がある場合、ブラウザ経由で利用できるサービスであればKindle Fire HDでも使えるが、アプリしか提供されていない場合は不可能ということになる。そういった他社サービスの資産が無く、今後もAmazonのサービスを中心に利用するという割り切り方をするのなら、ベストチョイスだろう。ついつい忘れがちだが、日本におけるスマートフォン普及率はまだまだ低く、タブレット端末に関しては言わずもがなという状況なのだ。
そう考えると、これから初めてタブレット端末を購入し、電子書籍や音楽配信のサービスを利用してみようという方には、強力な選択肢が1つできたということになる。音楽や動画の再生も試してみたが、「ドルビーデジタルプラス」のスピーカーは低音がよく効いていて、タブレット端末としてはかなり良い音だと感じられた。音楽配信サービス「Amazon MP3」は、DRMフリーで最高256kbpsと他社のサービスと遜色がなく、「Cloud Player」を使うことで他のデバイスでも利用することができる。残念なのは、米Amazonでは既に提供されている映像配信サービスが、日本ではまだ始まっていないことだ。ここは今後に期待しよう。
フリーライター。ブログ「見て歩く者」で、小説・漫画・アニメ・ゲームなどの創作物語(特にSF)、ボカロ・東方、政治・法律・経済・国際関係などの時事問題、電子書籍・SNSなどのIT関連、天文・地球物理・ロボットなどの先端科学分野などの分野について執筆。ブクログのパブーで電子書籍『これもうきっとGoogle+ガイドブック』を販売中。
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