連載
» 2013年11月07日 12時00分 UPDATE

あの書店のスタッフに直撃:電子書店の中の人 6回目――ブックパスの中の人

いつもお世話になっている電子書店。電子書籍を購入しているこの端末の向こうにだってスタッフがいる。そんな「電子書店の中の人」へのインタビュー。

[渡辺まりか,eBook USER]

 電子書店、または電子書籍ストア――実際に使っているかは脇に置くとしても、わたしたちはここ数年でその存在を少しずつ認知するようになった。

 とはいえ、書店と言えば、リアルの書店(実書店)を思い浮かべる方の方が圧倒的多数だろう。馴染みの書店にふらっと立ち寄り、馴染みとなった書店員に探している書籍の所在を尋ねたり、お勧めの書籍を尋ねたり……リアルの書店は日常の一部のようにそこに存在している。

 いつかは電子書店もそうしたものとして、今より身近なものになっていくだろう。しかし、わたしたちは電子書店のことをまだよく知らない。ただ、はっきりしているのは、そこにはリアルの書店と同様、「人」が介在しているということだ。この連載は、“電子書店の中の人”にフォーカスし、どんな人が電子書店の運営に携わっているのかを紹介しながら、その電子書店の“雰囲気”を感じてもらうためのものだ。

 第6回目は、ブックパスの岡本陽子さんに聞いた。

定額制なので、より多くの書籍と出会える魅力

―― auといえば、スマートパス、ビデオパス、うたパス、そしてブックパスという具合に「パス」と付く名称のサービスが知られていますよね。統一された名称が採用されている理由を教えてもらっていいですか。

KDDI新規ビジネス推進本部auスマートパス推進部・岡本陽子さん(以下岡本) スマートフォンを誰でも安心して楽しんでいただくために定額制でアプリ取り放題やクーポンをご利用いただける「auスマートパス」を2012年3月に開始しました。

 さらに同じコンセプトの下、映像・音楽・書籍のエンタメサービスをユーザー認証するための鍵となる "人" にひも付いた「au ID」で、デバイスやネットワークに依存せずスムーズにストレスなく利用していただけるサービスとして「ビデオパス」、「うたパス」、「ブックパス」をご提供しています。

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―― 1つのID、パスワードで利用できるのは便利ですよね。今日は「電子書店の中の人」ということで、岡本さんにはKDDIの提供する電子書籍サービス「ブックパス」の中の人として、いろいろお聞きしたいと思います。

 ブックパスといえば、コミック、写真集、雑誌などの電子書籍が定額で読み放題のauスマートフォン向けサービスで、1冊ずつ購入する「アラカルト購入」にも対応していますね。岡本さんは書店の中でどのような立場で働いていますか。

岡本 プロモーション業務を担当しています。この電子書籍サービスの魅力をお客さまにいかに分かりやすくお伝えし、利用したいと思っていただけるかを常に念頭に置きながら、お客さまとブックパスとのより多くの出会いの場を作っていけるように日々検討しています。

 また、開発からサービス内の編成・運用、プロモーションまでを一貫して、少人数のメンバーで担当していることもあり、時には、メンバーそれぞれの担当領域を超えて、よりお客さまに使いやすいサービスに近づけるべく、熱い議論を交わすことも多々あります。

―― 少数精鋭で、スタッフが一丸となってサービスに当っている様子がよく分かるエピソードですね。その部署に配属されて戸惑ったことはありますか。

岡本 半年後にサービスインというタイミングで、今の部署に配属となりました。配属前までは、時間のある時に電子書籍を読む程度だったのですが、プロモーションを行う立場ということもあり、配属直後は、とにかく今までにないくらい電子書籍を読みまくり、まずは、自分が電子書籍を知ることから始めたのを覚えています。

 また、以前は「LISMO Book Store」という名称でサービス展開していたのですが、名称だけではなくサービス内容も変更することになっていたので、既にご利用のお客さまにとって違和感なく移行していただくこと、また、新しいお客さまにはサービス自体を知っていただくために、訴求施策は試行錯誤しながら行いました。

―― サービス開始時にはやはり、いろいろなご苦労があったのですね。ところで、子どものころに読んだ本で最も印象に残っている本はありますか。

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岡本 幼稚園に入るか入らないかぐらいの時に、毎晩、お気に入りで母に読んでもらった絵本が『はじめてのおるすばん』でした。もう物語の主人公になったつもりで、何度読んでもらっても、ハラハラ、ドキドキ、最後にはほんわか嬉しい気持ちになれる、そんな物語の世界に入り込める絵本の1つでした。

 自分が書籍からそういう気持ちを味わえたように、電子書籍サービスでも、小さなお子さまがご両親とともに楽しめ、一生の思い出に残る本との出会いをご提供していきたいですね。

―― 形は変わっても、そういう気持ちを子どもたちにも味わってもらえると嬉しいですよね。岡本さんの考える電子書籍、または電子書籍端末やアプリの魅力って何でしょうか。

岡本 電子書籍の魅力は、何と言っても、いつでも好きな時に読みたい本が読めること、検索機能で読みたい本がすぐに見つけられること、端末1つでたくさんの本を持ち歩けることでしょうか。

 また、弊社のサービスでは、読み放題プラン月額590円(税込)で対象作品が好きなだけ読めるというところが気に入っています。対象作品の中に、子供のころに図書館で読みまくった手塚治虫先生の『火の鳥』があるのですが、懐かしくて、全巻一気読みしてしまいました(笑)。

 また、定額制ということで今まで読んだことのない本やジャンルにも気軽に挑戦できるので、さまざまな本との出会いにより新しい発見や価値観に気づかされることも多いです。

―― 確かに1作品ずつ購入する場合だと、「気になるけど、つまらなかったらどうしよう」などとちゅうちょしてしまいがちですものね。その点、定額制だと、気軽に挑戦できます。最後になりましたが、岡本さん、今後、仕事内で挑戦してみたいと思うことはありますか。

岡本 最近、電車の中で、電子書籍を読んでいらっしゃる方を見かけるようになりましたが、まだまだ、紙の本を読んでいらっしゃる方も多いと思います。

 電子、紙、それぞれの良さがあると思いますので、電子の良さをより引き出したサービスを目指し、電子書籍を読むということが、よりたくさんの方の生活に密着してければいいなと。まずは、「もっと電車の中や街中で電子書籍を読んでいる人を増やす!」が目標の1つですね!

―― 今日はどうもありがとうございました。

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