ソニー「Reader Store」を徹底解剖する電子書店完全ガイド2013(3/5 ページ)

» 2013年10月21日 08時00分 公開
[鷹野 凌,eBook USER]

簡単に購入できるか?

 Reader Storeは、書籍を検索して詳細画面を開くところまでは会員登録なしで利用できますが、[カートに追加]や[サンプルダウンロード]などのアクションをするには会員登録が必要となります。会員登録はどの電子書店でも必要な工程で、最初のハードルです。

 前回のレビューで触れた、同じソニーの「Sony Entertainment Network アカウント」が、「My Sony Club」と別系統になってしまっている状態は変わっていません。PS Vitaを持っていて既に Sony Entertainment Network アカウントが登録済みでも、Reader Storeを利用する場合は別途 My Sony Club の会員登録が必要です。まるで、Reader Storeだけ「One Sony」路線から外れてしまっているかのようです。

「メンバー」登録完了画面はソニー製品を持っていない人でも違和感のない表記に修正されている 「メンバー」登録完了画面はソニー製品を持っていない人でも違和感のない表記に修正されている

 PC WebのReader Storeで購入をするには、コンテンツを読むことができる端末の機器認証が最低1台は必要なのも前回のレビュー時と変わっていません。「メンバー」登録のプロセスや入力必須項目(メールアドレス・パスワード・氏名・フリガナ・連絡先住所・電話番号)も以前とほとんど同じですが、Reader端末で利用することを前提とした表記は修正され、ソニー製品を持っていない人でも違和感のない状態になりました。

 また、以前の「メールメンバー」には、ソニーポイントが使えないという機能制限があったので実用的ではありませんでしたが、ストアのリニューアル前後から制限が撤回されました。メールメンバーであれば、メールアドレスとパスワードだけで会員登録できるので、新規会員登録手続きはとても簡単になりました(☆+0.5)。手元に端末がなく機器認証解除ができない場合にメールメンバーだと対応できない(身元確認ができない)ため、メンバー登録(氏名・フリガナ・連絡先住所・電話番号の追加)が必要になるようですが、通常の使用であれば機能に優劣はないのでメールメンバーで充分でしょう。


電子マネー NET CASH 電子マネー NET CASH
「Reader Store 優待プログラム」は買えば買うほど得になる会員システム 「Reader Store 優待プログラム」は買えば買うほど得になる会員システム

 Reader Storeの支払方法は、前回調査時とあまり変わっていません。クレジットカード(JCB・VISA・MasterCardに加え、Amex・Dinersにも対応)と、NTTカードソリューションが提供しているプリペイド式電子マネー「NET CASH」と、ソニーポイントです。NET CASHは金融機関のネット口座支払いやコンビニ・ネットカフェなどで購入できます。ソニーポイントは電子書籍の購入やソニー製品の製品登録のほか、自分の書いたレビューを通じて電子書籍が購入された時に付与されます。また、優待プログラムによって、上位のランクにはボーナスポイントが付与されます。

 アカウント認証(ログイン)を済ませている場合、検索結果一覧や作品詳細画面で[カートに追加]または価格のボタンをクリック(またはタップ)すると、画面遷移なくカートに入ります。カートから削除をする場合も1クリックです。また、シリーズまとめ買いにも対応しています。複数の本を連続して買う場合や、巻数の多いシリーズ、複数のシリーズをまとめて買う場合などは、Amazon Kindleの「1-Click」方式より、カート方式の方が楽に感じます。なお、カートに入れられるのは99冊が上限なので、「グイン・サーガ」など100巻を超えるシリーズを1度にまとめて購入することはできません。


検索結果一覧から価格ボタンをクリックで連続してカートへ入れられる 検索結果一覧から価格ボタンをクリックで連続してカートへ入れられる
カートの中身一覧からは1クリックで削除できるし、まとめて削除もできる カートの中身一覧からは1クリックで削除できるし、まとめて削除もできる

以前と比べれば、かなり購入手順は簡素化されている 以前と比べれば、かなり購入手順は簡素化されている

 前回調査時との違いとして、カート方式とは別に[今すぐ購入]ボタンが追加されている点が挙げられます。クレジットカード情報が保存済みでアカウント認証(ログイン)も済ませている場合、[今すぐ購入]ボタンをクリック、支払い方法の確認、購入内容の確認と、最短3クリックで購入できるようになりました。

 アカウント認証は一定時間保持されるため、短時間に連続して購入する場合は都度のパスワード入力を求められることはありません。ただ、1時間ほどでセッションが切れてしまうので、普通に購入する頻度で考えると実質的には毎回パスワード入力が必要になります。セキュアではありますが、少々煩わしいです。

Reader端末からのカート連続投入 Reader端末からのカート連続投入

 ただ、前回の調査後に「かんたんログイン」機能が追加されてログイン状態が180日間保持されるようになり、ソニーポイントの残高確認やカート・キープリストへの追加といった操作は再ログイン不要になりました。また、購入後30日間は、パスワード入力だけで再購入できるようになりました。以前はさまざまな操作に毎回ログインIDとパスワードの両方を入力しなければならなかったことを思うと、かなり手間は軽減されています。

 また、主要な電子書店の中では珍しく、海外からの購入にも対応しています(ただし、アプリのダウンロードと海外発行のクレジットカードには未対応)。多くの電子書店が、出版社の意向により海外からの購入に制限をかけています。海外に住んでいたり長期の出張などで滞在している日本人にとって、日本語の書籍を簡単に購入できる環境というのはニーズが高いと思うのですが、対応している電子書店はそれほど多くありません。

評点:☆3.5

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.