番外編:NASから自炊データを直接読み出せる「新世代」ビューワを使う電子書籍「自炊」完全マニュアル(2/2 ページ)

» 2012年04月16日 10時00分 公開
[山口真弘,ITmedia]
前のページへ 1|2       

Androidは「ComittoN」

 「ComittoN」は、Androidに対応した無料の自炊データビューワだ。ZIP圧縮ファイルに対応しており、NAS内に置かれた自炊データをネットワーク越しに読み出して表示できる。従来は末尾に「N」のない「Comitto」というアプリで、こちらは安定性に難があったが、Android2.2以降に対応した新バージョンである本アプリは安定性も高く、快適に自炊データを楽しめる。圧縮ファイルはRAR形式にも対応するほか、画像はJPG/PNG/GIF/BMPに対応と幅は広い。

 まずは使用前に、NASのIPアドレスもしくはコンピュータ名と、アカウント名、パスワードを登録する。「192.168.0.55」といったIPアドレスのほか、コンピュータ名でも登録が可能なので、IPアドレスが書き替わった場合でもアクセスしやすい。また自炊データを保存している共有フォルダのパスも併せて入力しておける。例えばNAS上の「book」というフォルダに自炊データを保存しているのであれば、「192.168.0.55/book/」としておけばよい。

 登録が終わり、先の一覧画面に前記のサーバ情報が表示されていれば、タップすることでNAS内のZIP圧縮JPGデータが表示される。タップするとページの読み込みが開始され、やや間があってから1ページ目が表示されるので、あとは左右タップで読み進めていけばよい。もちろん左綴じと右綴じを切り替えることも可能だ。

 ユニークな機能として挙げられるのは、マイクに息を吹きかけることで手を使わずにページをめくる機能だ。1回の「フッ」で次ページ、2回の「フッフッ」で前ページ、「フー」でスクロール、「フッフー」で逆スクロールと、かなりの慣れとコツを要する機能だが、手をまったく使わなくともページめくりができてしまうのは面白い。このほか、音量大/小ボタンでページをめくる機能も用意されているので、環境に合わせて利用できる。

 このほかにも読書ビューワとしてのオプションは豊富で、大きすぎる画像を縮小して読み込ませることでメモリの消費量を抑える設定が用意されていたりと、ロースペックな端末でも読めるようにさまざまな配慮がなされている。今回はスマートフォンでの設定例を紹介しているが、もちろんタブレットでも利用できる。ユーザーの意見を取り入れての進化が目覚しいアプリだけに、今後にも大いに期待できそうだ。

起動直後の画面。すでに登録済みのネットワークドライブが表示されている。初期状態では空欄なので「*未定義*」と書かれた行を長押しして登録を行う(写真=左)/表示名のほか、ホスト情報、アカウント名、パスワードを登録する。ホスト情報の欄は自炊データが保存されているフォルダ名も入力しておける(写真=中央)/接続するとNAS内にあるZIP圧縮JPGファイルが表示される。「SharePlayer」とは異なり、PDFデータは一覧画面も含めて表示されない。また、未読/読みかけ/既読それぞれのステータスで書名のフォントカラーが変わるので、読みかけの本を探しやすい(写真=右)
ZIP圧縮JPGファイルをタップするとビューワが起動する。ページめくりはフリックではなくタップで行う(写真=左)/画面下部から設定画面などを呼び出すことができる(写真=中央)/画面タップに割り当てられた領域を図示したところ。ページ上下に回転やサイズ変更、ページの早送り/巻き戻しなどの機能が割り当てられているのが特徴的だ(写真=右)
設定項目は多彩。起動時にページが原寸大で表示されてしまう場合は、「起動時の拡大モード」を「全体を表示」にしておくとよい。またタップ時のページめくりの向きに違和感があるようなら「次ページ/前ページ操作の入替」にチェックを入れておこう
Android端末で「ComittoN」を用いて自炊データを表示しているところ。もちろんタブレットなどでも利用は可能だ。自炊ユーザーにとっては、本アプリを使うためだけにAndroid端末を購入する価値があるといっても過言ではない
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.