Kobo、独自の出版プラットフォーム立ち上げを発表

カナダのKoboは、2012年初頭に出版部門を立ち上げることを発表した。Amazonと同様の戦略だが、小売り業者が出版部門を立ち上げることの影響はじわじわと出てきそうだ。

» 2011年11月02日 12時12分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 カナダのKoboは、AmazonのKindle Fireと競合するとされるタブレットのリリースだけでは一週間分の仕事として十分ではないと言わんばかりに、2012年初頭に出版部門を立ち上げることを発表した。電子書籍配信では第3位の位置に付け、今年のBookExpo Americaで披露されたKoboタッチスクリーン電子書籍リーダーを開発する同社には、囚われの聴衆、つまり、AmazonのKindle Storeをいまだに利用できない人に手を差し伸べる機会がある。

 クリス・メドウ氏がTelereadの記事で指摘しているように、Koboは新たな出版プラットフォームがKindle Direct PublishingPubIt!のような電子書籍専門プラットフォームになるのか、あるいはAmazonが自社の従来のインプリント、Amazon Publishing経由で行なっている紙版書籍の出版に進出するのか決定していない。しかし、Koboはすでにカバーデザインと著者向けの編集サービスにも言及している。

 CBC NewsKoboのCEO、マイケル・サービニス氏に実際に取材を行い、そこで同氏は「新たな出版プラットフォームは新たな市場の一部であり、同市場で首位に立ちたければ、このプラットフォームはいわばテーブルに置く賭け金で、勝負には必須のものだ」と述べたとされる。

 現在、Koboの電子書籍ストアは自主出版タイトルを取り扱っているが、それらの原稿はまず電子書籍配信業者を経由しなければならない。新しく発表された出版プラットフォームはより多くのインディー作家だけでなく、ほかの電子書籍出版プラットフォームにアクセスできない読者にも選択肢を提供する。また、現時点でKoboが国際契約のためKindle StoreやNOOKへアクセスできず従来の紙版書籍著者の作品を利用できない読者のためにそれらの作品の電子書籍化を計画しているかどうかは明らかになっていない。

Copyright© 2015 Good E-Reader. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はGood E-Readerとの合意の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。