イースト、EPUB 3コンテンツ制作の指針とひな型を公開出版社必読

イーストは、仕様が確定したばかりの「EPUB 3」について、「マークアップ指針」と「テンプレート文書」を公開した。文芸作品のEPUB化を考えているのなら一読しておきたい。

» 2011年10月13日 15時16分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 イーストは10月13日、日本電子出版協会(JEPA)および出版各社の協力の下、仕様が確定したばかりの「EPUB 3」について、「一般的な日本語書籍をEPUB 3で表現するための指針とひな型」(JBasic)を、同社が運営するEPUB 3のポータルサイト「epubcafe」で公開した。

 JBasicは、HTML5、CSS3、SVGなどを包含し、表現の自由度が高いEPUB 3のタグを、一定の範囲内に制限し、文庫、新書、一般書など、日本語縦書きの普通の書籍を記述するための指針で、「マークアップ指針」と「テンプレート文書(ひな型)」がまずは公開され、スタイルシート、利用手引き、サンプル文書なども順次公開予定としている。

 テキストを主体とした出版物、特に文庫本や新書と呼ばれる形態の出版物が対象に想定されており、雑誌やコミックなどの固定されたページレイアウトが重要性を持つ出版物は現時点で対象外となっている。また、音声、ビデオ、JavaScriptなどの利用も現時点では想定していない。

 JBasicでは、EPUB描画エンジンとして「WebKit」と「Adobe RMSDK」が想定されており、この指針に沿って作業することで、WebKitやRMSDKを用いたビューワであれば均一の表示結果となる。ただし、今後多数登場するであろうEPUBリーダーのことも考え、現在のJBasicは暫定版とし、今後、JEPAなど関係団体と共同でセミナーの開催、仕様検討を行いながら仕様を改訂していく意向。

 また、出版社、印刷会社、制作会社、ソフトハウスなど200名以上の電子出版関係者が参加する、epubcafeメーリングリストや、Facebookの公開グループでも意見を聞き、コンテンツを制作する際のさまざまな質問にも答える。

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