Amazon Publishing、競争相手と提携

Barnes & Nobleが、Amazon Publishingレーベルが出版する書籍を販売したいと述べた。もちろん、幾つかの条件付きではあるが、敵と一緒にベッドに潜りこむことが成功するビジネスモデルの新たな標準のようだ。

» 2011年08月17日 15時58分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 どうやら敵と一緒にベッドに潜りこむことが成功するビジネスモデルの新たな標準のようだ。

 フランスのHachette LivreはGoogleと自社の書籍を電子化する契約に署名した。これは、フランスの出版業界と書籍販売業界の猛烈な反Google感情を考えると大きなインパクトを与えた。それから、Amazon Publishing――書籍販売と自費出版の巨人の完全に伝統的な出版レーベル――は一部の筋金入りの否定論者の求愛により出版業界に足場を得て、文学界は駆け出しの出版社を大人たちのテーブルに加える準備ができているようにさえ思える。

 しかし、今や最もありそうにないパートナーシップが出現しようとしている。Barnes & Nobleは、公式のAmazon Publishingレーベルが出版する書籍を販売したいと述べた。もちろん、幾つかの条件付きで。

 Barnes & NobleはAmazon Publishingレーベルの潜在的ベストセラーを在庫に加えないのは自らの財務的な死につながることを理解している。オンラインの流行仕掛け人といえる同社の広範囲な事業領域を踏まえると、Barnes & Nobleは物理的な書店の力を有し、それはAmazonに欠けているものだ。Amazonがライバルの実在およびオンライン書店に到達するために主に譲歩しなければならないのは、すべての電子書籍をBarnes & NobleのNOOKに対応させることだ。

 Barnes & NobleのCEO、ウィリアム・リンチ氏はPublisher’s Weeklyとのインタビューに答えて、「入手可能なフォーマットで電子書籍が提供されなければ、われわれのストアに紙書籍を在庫することはない。最近の例で、Amazonの排他的な出版社との契約によりBarnes & Nobleは一部の電子書籍を販売できない」と述べた。リンチ氏は自社の書店で書籍を宣伝しつつ、「販売可能な電子書籍を持たないことはBarnes & Nobleの顧客にあらゆる本を、あらゆる場所で、あらゆるタイミングで入手できるようにするという約束を台なしにする。Amazonが代理店および代理店と契約する著者と結んだ最近の排他的契約を後押ししている状況を考えると、これからのコンテンツに対するわれわれの立場をはっきりさせることが非常に重要だと感じている」と述べた。

 米国最大の書店チェーンで出版書籍の在庫を維持するために、AmazonはBarnes & Nobleと協力し、競争に関する考えをひとまず置いておかなければならないだろう。このシンプルな要件は、出版社がいまだにほのめかしている常にとらえどころのない電子書籍リーダーの互換性につながるかもしれないが、今のところはゆっくりと実現しつつあるところだ。

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