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» 2011年07月28日 12時00分 UPDATE

高価な大学の教科書を置き換えるための新しい計画

教科書の電子化は電子書籍業界のホットなトピックの1つだが、教科書を扱う出版社が自社のタイトルを実質的に無料で与える間、どれだけ長く持ちこたえられるかが鍵ではないだろうか。

[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 電子出版人気が広範に台頭していることで、実際に何十もの電子書籍リーダーがディスプレイ上での読書をさらに欲しているように思える市場をあふれさせた。電子書籍を貸し出す図書館が登場するのに続いて、デバイスを所有していない図書館利用者に電子書籍を貸し出しできるよう、実際に電子書籍リーダーを貸し出す図書館が出現するまでそう時間は掛からなかった。


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 Teleread.comに投稿されたクリス・ウォルターズ氏による記事によると、大学生に大学教育の高まるコストに対して手ごろな解決手段を享受する機会を提供すべく、電子書籍を貸し出す大学出版社もあるようだ。ウォルターズ氏は、「これまで、どの大学出版社も電子書籍の貸与でほとんど利益をあげていないが、本当の目的は教科書を買う余裕のない学生が教科書を手に取れるように援助するだけでなく、学生が電子書籍は有望な選択肢だと考え始めるように仕向けることにある」と述べる。

 学生に電子教科書を試用する機会を与えることで、ますます多くの短大や大学が電子教科書を利用したことのある学生からの好意的な反応に対応して、さらに多くの電子書籍にそのプログラムを拡大するかもしれない。多くの大学出版社がさまざまな価格モデルを採用する一方、それぞれのモデルは価格に応じて学生がどれだけ長く電子教科書を利用できるようにするかを設定している。

 「University of Iowa Pressのように一学期の長さに応じて貸し出し期間――120日間で10ドル――を設定する出版社もある。より短期間の選択肢とさまざまな価格を提供する出版社もある。例えば、The University of Michigan Pressは、学生に電子書籍を30日間定価の60%引きで、定価の25%引きで180日間貸し出ししている」とInside Higher Ed向けの記事でスティーブ・コロウィッチ氏は述べる。

 教科書業界はすでに電子教科書が持つ検索機能とインタラクティブ性を売り込んできたが、学生が本当に気に掛けているのは価格だと述べた人はほかにいない。そのような手ごろなモデルで同じコンテンツを提供し続けることができるかについて、この傾向を観察し、それが大学出版社にどのように影響するかを見物するのは興味深い。

 「電子書籍の貸し出しが講義の教科書を手にする手段としてどの程度一般的になるかはまだ分からない。ビジネスの観点からすると、一時的な電子書籍貸し出しの提供は顧客のごく一部がそのような買い方をする場合――もしくはその顧客が最終的に定価で電子書籍を購入する場合――においてのみ成立する。すべての顧客が貸し出しを選択すると、出版社は損をする」とコロウィッチ氏は付け加える。電子教科書貸し出しというアイデアは本質的に学生の利益に関心があるようだが、究極的には教科書の出版社が自社のタイトルを実質的に無料で与える間、どれだけ長く持ちこたえられるかにかかっている。

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