BookLiveの電子書籍リーダー、EXPOに通い続けて3日目でついに触れたe-Book Expo Tokyo 2012 Report

東京ビッグサイトで7月4日から6日まで開催された「第16回 国際電子出版EXPO」。ガラスケースに覆われたBookLiveが今秋発売予定の電子書籍リーダーに触れるチャンスがついに記者に訪れた。

» 2012年07月06日 19時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 東京ビッグサイトで7月4日から6日まで開催された「第16回 国際電子出版EXPO」。今回のEXPOは事前に楽天がKoboの買収で得た電子書籍リーダー端末「Kobo Touch」と、電子書店サービスを7月19日から提供開始すると発表し、国際電子出版EXPOと同時開催の東京国際ブックフェアの楽天ブースはにぎわいを見せていた。

 一方、トッパングループのBookLiveも電子ペーパーを採用した6インチの専用端末を今秋に発売すると発表、実際に国際電子出版EXPOのトッパンブースで展示されていた様子はすでにお届けした。ガラスケースで覆われていたため来場者は手に取ることはできず、記者もまたガラスケース越しに撮影した写真を用いてこれを紹介した。

 しかし、どうせなら手に取ってみたい――記者なら誰もが抱くそんな習性に基づき幾度となくお願いするも丁寧にお断りされ続けて3日。さすがにふびんに思われたのか、ガラスケースに遮られていないこの端末を撮影する機会をごく短時間ながら得た。それが以下の写真だ。

BookLiveから今秋リリース予定の電子書籍リーダー。正面下部に物理ボタン、底面にmicroUSBコネクタ、電源ボタンが確認できる

 筆者は2010年以降に国内外で発売されたさまざまな端末を少なくとも一度は手に取っている。電子ペーパーベースの端末で思いつくままに列挙すれば、Kindle、Reader、biblio Leaf SP02、Story HD、BookPlace DB50、そして楽天のKobo Touchなどがあるが、端末ごとの特徴やスペック、クセも概ね把握している。

 それを踏まえて言えば、BookLiveが参考展示していたこの端末は、やはりソニーのReader、それもReader Touch Edition(PRS-650)に近いデザインだ。NEC製だという報道もあるが、これはBookLiveが3月に第三者割当増資を実施した際、日本政策投資銀行や三井物産、東芝のほか、NECが引受先となっていることから導かれる内容だ(東芝はすでにBookPlace DB50をリリースしている)。同端末に関するBookLiveのリリースには、「独自開発、国内生産」がうたわれており(余談だが、端末にはMADE IN JAPANの文字が確認できた)、BookLiveブランドでの販売となるだろう。

 搭載されている電子ペーパーについては、マイクロカプセル型電気泳動方式の電子ペーパーであることは間違いない。NECもNEC液晶テクノロジーやNECディスプレイ ソリューションズと共同開発したマイクロカプセル型電気泳動方式の電子ペーパーを持っているし、凸版印刷も米E Inkと提携しているので、どちらが供給していても不思議はない。

 端末をくまなく見たが、上面および両側面にボタンなどは配置されておらず、本体底面にmicroUSBコネクタと電源ボタンがまとめられたシンプルな構造だった。microSDカードスロットは搭載されておらず、重量は肌感覚で200グラムを下回る程度、約185グラムのKobo Touchとだいたい同じくらい、といった印象だった。

 スクリーンセーバーのように見えていたのは、どうやらPDFを自動めくりしていたようで、各機能などにアクセスすることはできなかった。また、3G通信機能が搭載されるかどうかは確証を得なかった。

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