―― なるほど。ただプラットフォームという意味では今回、iPad、iPhone、Androidに加えて、GALAPAGOSにも展開されたわけですね。
村上龍 基本的には船山君(G2010代表の船山浩平氏)にそういった戦略は考えてもらっていますが、その過程でGALAPAGOSも見せてもらって、じゃあ、これでいこうと。
―― 実際に実機でデモを作られて、それを見て、これならいけると。
村上龍 はい。
―― 国産のプラットフォームでもあるGALAPAGOSに対する印象はいかがでしたか?
村上龍 「シャープ」ですからね。いやそれはもう、「シャープ」ってだけで。僕らの世代ではまだ、やはり確固としたイメージがありますから。
―― 特にどういうイメージなんですか。
村上龍 いやあの、何ていうのかな。正直、そういった、ソニーとかパナソニックのような大きな企業とは違う位置にシャープはいたわけです。とにかく、シャープ好きというのが、いてですね。僕の仲間にも。
―― わたしの周りではソニー好きというのは聞くんですけど、シャープ好きというのは……。
村上龍 いや、あのね。いるんですよ。ほんとにいるんです。
―― そうですか。へええ。
村上龍 シャープ好きだっていう。いかにもシャープだっていうような、個性のあるいろんな、電機製品を作ってきたところだし。だから、そういったイメージがありまして。
―― 今だと、亀山ブランドっていうイメージがありますけど。昔からその……。
村上龍 ちょっと、変わっているんだけど、技術屋さんのプライドみたいなものが感じ取れますよね。あとこう、これはシャープさんから見れば違うかもしれないけど、あんまりこう、社会に迎合しないというかですねなんかこう、硬派みたいな感じ。
―― 独自色がある。
村上龍 そうです、そうです。
―― ありますよね。ほんとにあの、GALAPAGOSという名前もわたし、聞いたときには、もう本当にびっくりしたので。
村上龍 そうだよね。
―― それまでは、まあ、どちらかというと、やゆする言い方で使われていた言葉を、そのまま商品名に採用するというのは、なかなか。これはもう、本当にお世辞抜きで、ガッツがあるなと思ったんです。
村上龍 びっくりしましたね。
―― 先ほどiPadを最初に見たときの衝撃をお話し頂きましたが、逆にGALAPAGOSに限らず、国内勢にもう少し、こうなった方がいいのにといった要望があったりはしますか?
村上龍 僕はハードにはあんまり興味ないんです。デバイスの特質に合わせてやればいいなと思っているんですよ。だから、もうちょっとこうしてほしいとかいうのは、あまりないです。
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