世界タブレット/電子書籍リーダー市場、成長率は優秀――IDC調べ

米IDC調査によると、2010年のタブレットおよび電子書籍リーダー端末の市場はAppleとAmazon.comがけん引し、高い成長率を見せているが、今後も多数のプレイヤーが参戦しながら成長を続けるという。

» 2011年01月19日 18時29分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

iPadとKindleがけん引した2010年

 米IDCは1月18日(米国時間)、世界のメディアタブレットと電子書籍リーダー端末の市場に関するレポートを公開した。

 同レポートによると、2010年通年のメディアタブレット総出荷台数は約1700万台。このうち2010年第3四半期は、480万台を売り上げたという。これは2010年第2四半期の330万台から45.1%増の数字で、急激にこの市場が盛り上がっていることを示すものといえる。なお、内訳としては全体の87.4%がiPadであるとしており、この数字に従えばiPadの2010年第3四半期の出荷台数は420万台ということになる。

 2011年以降は、米GoogleのAndroidなどをOSに採用したタブレット端末が多数登場し、これらが価格と性能でしのぎを削ることになるとしており、併せてコンシューマと企業の両面からの需要増が見込まれ、2011年には4460万台、2012年には7080万台が出荷されることになるだろうと予測している。

 一方、電子書籍リーダー端末については、2010年第3四半期に第2四半期比で40%増となる270万台が出荷されたが、このうち約4分の3は米国市場であるという。ベンダー別のマーケットシェアは、2010年第3四半期だけで約114万台のKindleを出荷したとみられるAmazon.comが41.5%で大きくリードしており、米Pandigital(16.1%)、米Barnes & Noble(15.4%)、ソニー(8.4%)、Hanvon(8.2%)と続いている。

順位 ベンダー 2010年第3四半期の出荷台数 シェア
1 Amazon.com 114万台 41.5%
2 Pandigital 44万台 16.1%
3 Barnes & Noble 42万台 15.4%
4 Sony 23万台 8.4%
4 Hanvon 23万台 8.2%
6 その他 29万台 10.4%
電子書籍リーダー端末を提供する主要ベンダーの2010年第3四半期における出荷台数とマーケットシェア(出典:IDC)

 2010年通年では1080万台近くが出荷された同市場の今後については、2011年には1470万台、2012年には1660万台と予測している。

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