斬新な企画やフェアで注目を集めた札幌市の書店「くすみ書房」が、6月21日で閉店することが決まった。
同店は、1946年に同市西区琴似で創業。一時は閉店の危機もあったものの、傑作でありながら売れていない本にスポットライトを当てた「なぜだ!?売れない文庫フェア」(2003年)や、中学生向けの本に特化した棚を設置する「中学生はこれを読め!」(2004年)などの企画が功を奏し、メディアにも取り上げられるなど着実に話題を集めた。
2009年には、周辺に大型書店が出店したこともあり、場所を札幌市へと移したが、その後も「高校生はこれを読め!」(2010年)、「小学生はこれを読め!」(2011年)、さらにはお勧めの本を定期的に届ける「くすみ書房 友の会『くすくす』」といった会員制のサービスも展開していた。
くすみ書房のTwitterアカウント(@kusumishobo)には、「大好きな書店だったので残念」「琴似に戻ってきてください」など、閉店を惜しむ声が寄せられている。
なお、くすみ書房では6月21日まで、すべての文具を対象にした3割引きセールを実施している。
いつも、くすみ書房をご愛顧いただきありがとうございます。
突然のお知らせですが、6月21日(日)を最終日とし、くすみ書房大谷地店を閉店いたします。
暖かく、思いやりあふれる大谷地の皆様と過ごした6年間は、私共にとり特別の日々でした。素晴らしい場所でありながら、続けることができなかったのは、すべて当店の力不足が原因です。
このような形で閉店いたすことは、まことに悔しく情けないことですが、どうぞお許し下さい。
6年間、本当にお世話になりました。
またつきましては、当分の間、友の会「くすくす」と、「琴似に新発想の本屋を作ります」プロジェクトの新規のお申し込みは休止といたします。
なお、既にお申し込みいただいた皆様へは、今後のことを、後日あらためてご連絡いたします。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。ご連絡まで少々お時間を要しますが、何卒ご容赦下さいますよう、お願い申し上げます。――くすみ書房Webサイトから
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