連載
» 2015年06月05日 12時00分 UPDATE

司書メイドの同人誌レビューノート:第2のリコーダー人生をここから『趣味のリコーダー情報誌 シュミリコ!』

秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」の司書メイドことミソノが、同人誌のディープな魅力を紹介する連載企画。同人誌の用語を解説していく「ミソノ流ワンポイント用語解説」も必見。

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 一般にはあまり出会う機会のない同人誌。アニメやマンガのパロディや、コスプレの写真集などさまざまなジャンルがありますが、こちらの連載では、私設図書館「シャッツキステ」の司書メイド・ミソノが、オリジナル創作や評論ジャンルの同人誌を中心にご紹介します。作家の「好き」が形になった同人誌、その魅力を体感してください。

趣味のリコーダー情報誌 シュミリコ!vol.2 趣味のリコーダー情報誌 シュミリコ!vol.2

紹介する同人誌

タイトル:『趣味のリコーダー情報誌 シュミリコ!vol.2』

著者:とらにゃも

サークル名:とらふえ屋

形態:A5 36ページ 表紙カラー・本文モノクロ

Webサイト:http://www.syumireco.net

Twitter:@syumireco

同人誌入手先:COMIC ZIN(販売ページ)、アリスブックス(販売ページ

参加予定イベント:コミックマーケット88


 小さな指を精一杯伸ばして練習した思い出……気を抜くと急に甲高い音が出て思わず笑ってしまったり……もう長い間触っていないけれど、その気になったらもしかして今でも吹けるんじゃないかしら? 『趣味のリコーダー情報誌 シュミリコ!』を拝見した時に、そんな思いが胸に湧き上がってきました。大人になった今、趣味でリコーダーを吹くって考えたことがなかったのですが、あらためて考えてみると親しみやすくて楽しめそう!

 著者の方は趣味として楽しむリコーダーを広めようと「シュミリコ!」を発行されたとのことで、最新刊vol.2では学生さんを特集しています。

大学リコーダー部学園祭レポ!

 このvol.2では5つの大学の学園祭をめぐって、選曲や会場の立地、傘置きがあるかどうかなど、細やかな目線でリコーダーサークルさんの活動を写真を交えてリポートされています。

 演奏の様子を「宇宙戦艦ヤマトはダイナミクスの振れ幅が広いのが印象的」と表現していたりして、「ん!? あの盛り上がる曲が、リコーダーのやわらかな音色で……? しかもダイナミクスって、どんな風に演奏されているのかしら!」と思わず聞きに行ってみたくなります。

rmfigsyu1.jpgrmfigsyu2.jpg 『趣味のリコーダー情報誌 シュミリコ!vol.2』から

リアルなリコーダー部の日常風景とは?

 さらに、大学リコーダーサークルさんへのアプローチはまだまだ続き、実際の活動の様子や練習方法がインタビュー形式で載っていて、これがまたぐっとくるエピソードばかりなんです。「(新入生をサークルに勧誘する際に)食べ物で呼び込むのは定番」「留学生の初心者が入って、教え方が分からないといった大変さが」などなど……、まさしく大学生活っていう雰囲気が、ひしひしと感じられます! 「(部室がないので)近くの鴨川のほとりで吹いている時がある」なんて出会いのフラグが立ちそうな話がさらりと語られていたり! リコーダーサークルさんたちの活動の様子は、学生さんらしさがそこかしこに見られて「青春を垣間見ちゃったー!」という気分になりました!

人と人を繋ぐリコーダー部

 各サークルさんの練習スタイルや、先輩から後輩にどう指導していくかという問題についても語られます。数年で参加者が入れ替わってしまう学生サークルさんゆえに、築いたものを次代に繋ぐ苦労は常について回るようです。実際の学生さんたちの回答は「上回生から初心者に寄って行って『どうですか』と話しかける」など即実践できそうなものばかり。あれ? これってリコーダー部でなくたって、いろんな所で同じ問題を抱えている人のヒントになるのでは? 若者たちの率直な言葉が、まるでリコーダーの音色みたいにすーっと胸に入ってきます。

 熟練者ばかりでなく、初心者を受け入れてリコーダーを楽しもうとしている若者たちにスポットを当てることで、「とっつきやすいが、奥が深い」とおっしゃる趣味のリコーダーの世界を身近に感じる本だと思いました。今すぐ、戸棚の奥からリコーダーを取り出したくなってきましたよー。

ミソノ流ワンポイント用語解説

同人誌即売会

 通称「イベント」。会場は、公民館の一室から国際展示場までさまざまで、同人誌を見てもらいたい人と、読みたい人が集います。大きな即売会だと3日連続開催で、会場はちょっとした戦場となります……。

rmfigmisono.jpg ミソノ:いつでも優しい笑顔で、皆の心をいやしてくれる。普段は大きな図書館で司書をしており、司書ならではの本に関するお話は、日常では知る機会の少ない情報満載で、一聞の価値あり

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