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» 2015年02月07日 07時00分 UPDATE

シャッツキステ×eBook USER:司書メイドのハートをつかめ! 本好きが本を持ち寄ったシャッツキステのコラボイベント

毎週金曜に連載している本語りをユーザー参加型イベントとして開催。司書メイドの心に響く本を紹介したメイドは果たして……?

[宮澤諒,eBook USER]
rmfigteam1.jpg 店内に吊るされたてるてるぼうずのおかげか雪は止んでいた

 朝から身を切るような寒さで、大雪も心配されていた2月5日、秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」で、eBook USERとのコラボイベント「『チーム戦! 司書メイドを唸らせる本をおすすめ』夜話」が開催された。

 eBook USERでは、シャッツキステのメイドたちが本を紹介してくれる連載を毎週金曜に掲載している。エリス、レイラ、サヤの3人が、司書メイドであるミソノにお気に入りの本を紹介し、紹介の仕方やその熱意に応じてミソノの好感度パラメーターがアップ、100%に達したメイドはミソノとのデート権を獲得できるというものだ。

 メイドたちの心温まる連載の雰囲気をリアルに感じられる今回のイベントでは、レイラ、サヤ、そして当日来られなかったエリスに代わりトーヤがミソノに本を紹介。いつもと違うのは、メイドたちがミソノに紹介する本は、参加者が持ち寄った本の中から選ぶという点。メイドと参加者がチームになって持ち寄った本を紹介し合い、チームの中で1冊を決定、その1冊をメイドからミソノにプレゼンテーションし、ミソノが最も読みたいと思った本を決定する。

 今回のイベントで1位に選ばれた本を紹介したメイドは、連載と同じように好感度パラメーターがアップするため、100%が間近に迫ったレイラ、サヤは特に気合いの入っている様子だった。

本好き約20名が集結

 イベントには、20代〜50代と幅広い世代の男女約20名が参加。どのメイドのチームになるか事前に分からないため、それぞれの好みに合わせるべく希少な本を何冊も持参した方もいれば、ブレインとして参加した方、イベントについては知らなかったものの、お茶を飲みながら観覧する方もおり、開始の時間が近づくにつれ店内はにぎやかさを増していった。

 午後8時半、クッキーの焼ける甘い香りの漂う中、コラボイベントの幕が上がった。ミソノからルールやタイムテーブルについて説明があった後、まずはレイラ、サヤ、トーヤから参加者に向けてお気に入りの本の紹介が行われた。

 サヤが紹介したのは、2月6日の連載でも取り上げた『アレの名前大百科』(みうらじゅん)。傘などの小道具を取り出し、アドリブは苦手なのでとカンペを見ながらも熱意のこもった発表を行った。

 レイラは、輸出茶ラベルの写真を多数収録した大判の本『蘭字―日本近代グラフィックデザインのはじまり』(井手暢子)を紹介。よどみなく流れるトークと、ところどころに差し込んでくるユーモアでお客さんの心をつかむ発表だった。

 トーヤは、プロゲーマー・ウメハラこと梅原大吾さんのゲーマーとしてのこれまでを漫画化した『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』(作画:西出ケンゴロー 原作:折笠格 監修:梅原 大吾)を紹介。ウメハラとライバルの大貫晋也さん(ヌキ)の、敵対しつつも見え隠れする友情の中に愛すら垣間見てしまうという斬新な視点の解説を展開し、会場にいた人は、図らずも同作の新たな楽しみ方を知ることとなった。

rmfigteam3.jpg 食パンの袋を留めるプラスチックの留め具について説明するサヤ
rmfigteam2.jpg 『蘭字―日本近代グラフィックデザインのはじまり』は、シャッツキステに2、3日いられるくらいの値段なのだとか
rmfigteam4.jpg 止まらない格ゲートーク

3チームに分かれて代表の1冊を決定

 メイドたちによる本紹介が終わった後は、各チーム内での本紹介がスタート。自分が好きで本当におすすめしたい本を持参した方もいれば、担当のメイドに合わせて何冊か持参した方、ミソノが好きそうな本を持ってきた方などさまざまだった。共通しているのは、「本が好き」ということだ。


rmfigteam5.jpgrmfigteam6.jpg
rmfigteam7.jpgrmfigteam8.jpg あちこちで繰り広げられる熱い本紹介

rmfigteam13.jpg 各チームのメイドは代表の1冊を決めるべくメモをとっていた

代表本を手に、いざ!

 そしていよいよ、各チームで選び出された1冊を各メイドからミソノへの紹介する時間がやってきた。

 トップバッターはサヤ。サヤが紹介したのは、『世紀末中国のかわら版―絵入新聞「点石斎画報」の世界』(訳:中野美代子|武田雅哉)という、19世紀の中国の新聞に描かれた挿絵を集めた本。スフィンクスやピラミッド、ロードス島の巨像などを中国の人たちが“想像”で描いた絵が見どころで、その常軌を逸した構造(スフィンクスの下に謎のトンネルがあったり)は会場を笑いの渦に巻き込んだ。

 続いてはトーヤ。手にしているのは、干されたタコの表紙が印象的な『目でみることば』(著:おかべたかし 写真:山出高士)。そのタイトルが示すよう、写真と豆知識で構成された本だ。例えば、

  • 贔屓(ひいき)するの「ひいき」は、中国の伝説上の亀のような生物
  • 「試金石」って実は通販で買える

など驚きの事実まで飛び出し、会場からは感心の声が上がっていた。

 そしてレイラは何と、イベント冒頭で自身が紹介した本を手に登場。先にチーム内のメンバーが持ち寄った本の面白さを簡潔に説明したあと、冒頭では見せていなかったラベルを紹介。葉っぱをくだいたものという意味で「〜チョップ」を説明していたレイラだが、お客さんから「チョップには“商標”という意味もあるんですよ」との新解釈が飛び出す一幕も。相撲チョップ、サーカスチョップ、もちを突くうさぎが描かれたラビットチョップなど、さまざまな美麗イラストを紹介した。

rmfigteam9.jpg サヤ「このピラミッドの形がおかしいんですよ」
rmfigteam10.jpg モザイクに隠れてしまったが、笑顔が絶えない店内

果たして優勝は……

 そしてついにミソノが気に入った1冊を紹介するときがきた。

 見事ミソノのハートを射止めたのは、トーヤが発表した『目でみることば』。多人数のチームをうまくまとめ上げ、ロードス島の巨像などインパクトのあるイラストを見せてくれたサヤチームや、時間内に上手く発表をまとめ、いろいろな作品を紹介するテクニックを披露したレイラチームにも称賛したが、決め手となったのは、「いままで知らなかった驚きを知ることができた」からだという。

rmfigteam11.jpg 見事エリスの代役を果たしたトーヤ。トーヤチームの参加者には、ポイントカードに花丸を描くというある意味でレアなプレゼントが贈られ、皆さんご満悦の様子だった

 イベント終了後は、各チームの本を観客を含めた全員で回し読み。そこでも、初めて会った人同士とは思えないほどの盛り上がりを見せていた。

 シャッツキステで定期的に行われている通常の本語りイベントにも参加者しているという方は、「知識のアップデートが図れる素晴らしいイベント。チーム戦は初めてでしたが、ほかの人と交流もできて楽しかった」と語ってくれた。また、海外の古書店などにもよく足を運ぶという方も、本の存在そのものの魅力をその経験とともに楽しそうに話してくれた。本を媒介に、人はこんなにも打ち解けられるものかと驚く。機械的なリコメンデーションでは得がたい本との出会いの場がここにはあった。

 なお、優勝がトーヤとなったため、連載の好感度ポイント(トーヤの誕生日2月20日にちなみ20ポイント)はエリスに加算されることになった。今後は、デート企画も準備しているので楽しみにしていてほしい。

rmfigteam12.jpg 閉店まで話し声が止むことはなかった

イベントで紹介された本

『アレの名前大百科』(みうらじゅん/PHP研究所)

『蘭字―日本近代グラフィックデザインのはじまり』(井手暢子/電通)

『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』(作画:西出ケンゴロー 原作:折笠格 監修:梅原 大吾/角川書店)

『これだけ! PDCA』(川原慎也/すばる舎)

『The French Cat』(Rachael McKenna/Hardie Grant Books)

『不思議の国のアリス・オリジナル』(原著:Lewis Carroll 訳:高橋宏)

『目でみることば』(著:おかべたかし 写真:山出高士)

『武将・剣豪と日本刀』(日本武具研究会/笠倉出版社)

『ふしぎな国道』(佐藤健太郎/講談社)

『裸の青(ブルー)』(矢也晶久/集英社)

『図書館の主 1』(篠原ウミハル/芳文社)

『闇の夜に』(著:ブルーノ・ムナーリ 訳:藤本和子)

『銀河英雄伝説 1 黎明編』(著:田中芳樹 イラスト:星野之宣/東京創元社)

『坂口尚短編集 第1巻』(坂口尚/チクマ秀版社)

『Waltz 1』(作画:大須賀めぐみ 原著:伊坂幸太郎/小学館)

『世紀末中国のかわら版―絵入新聞『点石斎画報』の世界』(訳:中野美代子|武田雅哉/福武書店)


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