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» 2015年02月01日 07時00分 UPDATE

本屋探訪記:夢の読書ハウス「BOOK APART」

BOOKSHOP LOVER=本屋好きがお届けする詳細な本屋レポ。本屋が好きならここに行け! 今回は大倉山にある「本のアパートメント」、BOOK APARTを紹介。

[wakkyhr,eBook USER]

 「BOOK TRUCK」をご存じだろうか。代官山ヒルサイドマーケットや東京蚤の市、赤坂蚤の市など、さまざまなイベントに出現する青いトラックの移動式本屋。それがBOOK TRUCKだ。

 そのBOOK TRUCKがついに固定店舗を開店すると聞いた。その本屋「BOOK APART」には当然行かねばなるまいと訪ねたのが2014年4月25日のことである。

読書家の家に迷い込む

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 場所は東急東横線「大倉山」駅。すぐ近くには大倉山記念館という施設もある。

 駅前は車の往来も激しい道を挟んで商店街のように店が並んでいる。ミスドやマックに混じって小さいお店があるのが素晴らしい。

 BOOK APARTは大倉山駅から歩いてすぐの「大倉山集合住宅」にある。ここは、妹島和世さんという建築家の作らしい。

 入ってみるとこの住宅、変である。3階まであるのだが、1階が異常に狭い。店主によると、上に行くほど広くなるスリバチ状の建物なのだという。さすが世界的建築家。考えることが違う!

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 この空間は、確かに“住宅”。書斎、寝室、リビング、キッチン、ダイニング、そしてベランダ。生活空間ごとに「こんな本がここに置いてあったらいいな」と思わせるゆるやかにジャンル分けされた本。BOOK APARTはまさに「本のアパートメント」で、読書家の家で買い物ができるようなものなのである。本好きにとっては夢のような空間だ。というかここに住みたいよ、僕は!

ゆるいチルアウト空間

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 1階はレジのみ。階段を上がっていくと2階はベッドが置かれた寝室だ。

 3階はスリバチ状と聞いたとおり1階2階と比べるとかなり広い。階段を上がってすぐの空間がソファとテーブルが置かれたリビングスペースで、奥にはキッチンダイニング。突き当たりにはベランダがある。よく見るとベランダにも本棚が一本。どうやらそのうち本を置くつもりらしい。ベランダに椅子を置いて読書とか最高だ。

 3階は雑誌を中心に読みやすそうな本が多い。テーブルに置かないと見れないようなノーマン・ロックウェルの超大判本だってある。

 リビングでソファに寝そべりながら読書。お腹が減ったらキッチンで軽くおつまみを作ったり。飲み会後の終着駅。本を酒の肴(さかな)につい長居したくなる、ゆるいチルアウト空間がここにはある。

2階はリラックスタイム

 3階が仲間と楽しむ場所だとすれば、2階は一人でゆっくりするスペースだ。あるのはベッドと平台テーブルと本棚、そして大きな窓だけ。ベッドの頭部分には絵本が並べられている。就寝前に絵本を読むだなんて優雅なひとときではないか。

 店主が特にオススメしてくれたのは、カセットテープと詩画集がセットになっている『世界の詩とメルヘン』シリーズ。年代物のポエトリーリーディングをひとり静かに楽しむだなんで最高じゃないか。もちろんカセットテープを聴く装置があればなのだが。

本のある暮らし

 先に書いたが、BOOK APARTは生活空間ごとに選書がされている家である。つまり、本のある暮らしを具体的に提案しているスペースでもあるのだ。代官山蔦屋書店など、こんな家に住めたら良いと考えることはあるが、実際に見せてくれるとこんなに良いものか、と嬉しい驚きがあった。

 具体的には3階のソファコーナーにはリラックスして読めるデザイン、アート、映画など趣味の本。キッチンコーナーにはもちろん食の本だ。一番奥のベランダそばには旅と暮らし関係の本。僕らは今すぐ外に出ても良いし室内で暮らしを楽しむのも良い。

 2階に下るとベッドコーナーをはじめゆっくりできるスペースが広がる。詩や文芸、絵本。一人の時間を楽しむための本がたくさん揃っている。最高の空間だ。

夢の読書ハウス

 そうなのだ。ここは本好きが建てた夢の家のようなのである。欲しい場所に欲しい本がある。人によったらもしかしたらもっと本が欲しいという人もいるかもしれない。だが、それはそれで良いのだ。自分でそんな家をつくればいいのだから。

 四の五の言わずにまずはこの素敵な読書ハウスを見てみよう。「本と家」という当たり前すぎて考えてこなかった関係を考えるきっかけになるかもしれない。

 BOOK APARTはあなたの読書ライフを変える可能性のある本屋なのだ。

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著者プロフィール:wakkyhr

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本屋開業を目指す本屋好きサラリーマン。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。同名のネット古本屋も営み、「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。理想の本屋さんを開くべく本の世界で縦横無尽に活動中。好きな作家はクラフト・エヴィング商会。一番好きな本屋は秘密。

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