本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日はサヤからの紹介です。
日暮れの早くなったこの街に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
彼女の好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。
あら? サヤちゃん、髪を切ったの?
そうなんです。この前美容院に行って切ってもらいました! そういえば美容院に行くと、切ってもらっている間に読めるよう雑誌を渡されるじゃないですか。
「渡される雑誌で、自分がどんな風に見えているか分かる」なんていう説もあるわねー。
確かに年齢とか外見から想像して、その人に合いそうな雑誌を選ぶって言いますよね。その時はちょっとセレブっぽくてモードな感じの雑誌を渡されて、自分ってそんな風に見えてるんだ!? とすごく驚きました。そんなつもりは全然なかったんですけど……。
セレブ! 素敵じゃない!
逆に雑誌の記事とか写真とか雰囲気とかから、どんな人が読んでるのか想像することもできそうですね。能町みね子さんの『雑誌の人格』では、独断と偏見で想像した読者像を「雑誌名さん」として擬人化して紹介していて面白かったです。
たとえば「小悪魔ageha」さんは22歳防府市在住、職業は夜の蝶。雑誌のモデルが自分のふるさとのことや過去のこと、結婚や出産などを隠さずに「等身大の私」を積極的に見せていることから、「一見ファンタジーのようで実はドキュメンタリー。地方に住む現実的な女の子」といった人格の説明とイラストが掲載されています。
「小悪魔ageha」と言えば、髪の毛を頭の上に高く盛り上げるスタイル“メガ盛り”でガンダムの模型を組み入れたりして話題になりましたねぇ。カラーイラストに付けられた「ふだんはスウェット」などの言葉が、そっと添えられているのに説得力を感じます。
「婦人公論」さんなんかも面白いですよ。雑誌自体の上品さに対して、「断捨離で私がいちばん捨てたいもの」の1位が「夫」だったりする「清濁併せ持つ『女』」。「知性の裏に生々しさを持った女性」という人格に、憂いを帯びたお母さんの姿。……こういう人いそうだなーという感じがすごくしてきます。
あら、女性向けの雑誌以外も取り上げられているのね。
鋭い観察眼で雑誌を擬人化していて、「メンズノンノ」さんは「上京したてのダサい18歳の後輩と、その前に颯爽(さっそう)と現れる大学デビュー後の先輩との関係性」「この先輩も何も知らないハタチちょっとの学生にすぎない」などと結構毒舌だなあと感じるんですが、これが皮肉や嫌味に見えたとしたら、それは私たちの心のせい! なのだそう……。
メンズノンノで心の清らかさ度合いが露呈してしまうなんて……。
自分が読んでいる雑誌がどんなふうに擬人化されてるのか、自分に似てるか似てないか見てみるのも楽しいと思いますよ。ちなみに私が美容院で渡された雑誌は「『大人』に憧れる20歳と、『リュクス』をめざす30歳」と紹介されていました。うーん、どうなんですかね……。
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:59% レイラ:90% サヤ:91%
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