本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日はエリスからの紹介です。
しとしと雨がひんやりと降るこの街に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
彼女の好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。
ミソノさんにお土産です〜!
まぁ、ありがとうございます。お休みの旅行、楽しまれたようですね。
今年は5日間もお休みをもらいましたからね。
でも少し悔やんでいることが……。慌てて旅立ったので、旅先の名所についてあまり調べずに行ってしまったのです。せっかく訪れても、その名所の歴史や込められた人々の思いを知らないと、感動は半減してしまいません? しかも時間が少なかったので、名所に着いたらとりあえず見て、急いで次に行くような感じになってしまって。もはやスタンプのないスタンプラリーのよう……。
あら、それはもったいないですね……。
ましてや好きな作品の聖地巡礼ともなれば、もったいなさ倍増ですよね。限られた旅先の時間で、慌てることなくその時間を優雅に楽しむためには、万全な下準備が必要です。なかなか訪れることのできない遠方となると、その重要性は増します。
異国なんて特にそうですよね。
はい、なので今日はいつか異国へ聖地巡礼をする日のために大事にしている1冊をご紹介します。ファンタジー作品の聖地巡礼本です!
まんがやアニメの聖地巡礼本は最近見かけるようになりましたね。ファンタジー作品ですと、ハリーポッター作品とか……?
はい! ハリーポッターも載っていますよ。映像化もされて人気の「指輪物語」、長く親しまれている「クリスマスキャロル」「不思議の国のアリス」「ピーターパン」「クマのプーさん」「ピーターラビット」、そしてファンタジーの王道にして基盤「アーサー王伝説」の聖地を、作品ごとに紹介しています。
ファンタジー作品の作家たちの生い立ちを紹介するとともに、創作をする上で愛した風景を巡ったり、作中に出てくる場面の元となった場所が載っているので、おおよそこの通り巡礼をすれば大事なポイントは押さえられるはずです! 聖地巡礼旅行を計画する時にとても参考になると思います。
2003年時点の少し古い情報のようですが、紹介された場所やホテルの情報が巻末に載っているのも助かりますね。
はい、ですがこの本の魅力は旅行情報にとどまりません。聖地巡礼の楽しみは、やはりその物語をリアルに肌で感じられることですよね。実際にその地に訪れ、物語のキャラクターたちの息吹を感じられること……。
この本の醍醐味は、著者の方がこれらの作品を深く愛しているからこそ生まれる“妄想”にある、と私は思います。景色を見ては「あのキャラクターたちだったら、ここでこんな風にやり取りをするんだろうな」という著者の方の妄想。それがとても面白いので、カラーで載っている写真が「旅先の紹介写真」ではなく「この世のどこかに実在する物語の世界の写真」のように見えてくるのです。作者の妄想を、読者の私たちも目や脳で一緒に楽しめます。まさに聖地巡礼の楽しみ方を体現している本なのですよ!
なんと頼もしい本なんでしょう! 私たちの妄想もはかどりますね。いま自分が歩いているこの街並みに、大好きな物語の登場人物を重ねられたらどんなに楽しい旅でしょう。
私も歴史的な建造物を訪れては「ああ、この館の縁側にあの英雄が座ったりしていたのかしら」と妄想たくましい方だと思っておりましたが、この本の著者の方は、ただ山が連なるだけの寂しい風景を見ただけでも「きっと絶滅寸前の巨人族がこの山の後ろに隠れているんだわ、きゃっ☆」と考えてしまうほどの妄想力の持ち主。落ち着いた文体で書かれているものの、行く先々で妄想を爆発させています。
しかも巻末に「マニアックな妄想が行き過ぎないように導いてくださった編集者の方に感謝」の一文。こ、この溢れる妄想でもまだ本気ではないというの…?! と恐れおののきました。
聖地巡礼初心者の方は、まずはこの本で、脳内聖地巡礼をして予行練習をしてみると良いかもしれませんね。
私はこの本とともにもう何回も脳内イギリス聖地巡礼していますからね、準備は万端です。あとはこの豚さん貯金箱に旅費がたまれば……!
いつかエリスさんが本当に旅立てる日が来ますように。さ、今日もお給仕頑張りましょう!
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:52% レイラ:80% サヤ:81%
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