連載
» 2014年08月22日 17時00分 UPDATE

まだ見ぬお宝を求めて:それいけ! デジコレ探索部「第9回 花火の歴史 浮世絵に見る花火」

日本の貴重なデジタル化資料を公開している国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)。本連載では、デジコレで見ることができるデジタル化資料の中からコレは! というものを探し出し、紹介していきます。

[eBook USER]

 第7回では夏らしいテーマとして「妖怪画」を特集しました。今回も夏らしく「花火」で行こうと思います。花火って毎年見る割には、詳しいことってあまり知らないですよね。

そういえば花火の歴史とかって調べたことなかったわ。

 昔の花火はどんな感じだったのか、気になりますよね。さっそくデジコレの資料とあわせて説明していきましょう。

よろしく頼むわね。

花火の始まり

 花火の誕生には諸説ありますが、最初に作られ始めたのは13〜14世紀ごろのヨーロッパだといわれています。花火に使われる火薬の技術が中国で確立し、その後火薬がシルクロードを経由してヨーロッパに伝わったのだそうです。

中国ってお祝い事に爆竹を使ったりするし、昔から火薬の技術に関わりが深かったのね。

 当時の花火は主にイタリアで生産されていまして、王の権力を誇示するために、祭典などの祝い事で使われていました。

 日本で花火が使われ始めた時期については正確な記録はないですが、室町時代の公卿・万里小路時房の日記『建内記』に花火と思われる行事の記述が残されています。日記には、1445年の清浄華院で行われた「風流(ふりゅう)事(人目を驚かすような演出を行うこと)」で、手持ち花火や、ネズミ花火と思われる記述がみられます。

ネズミ花火ってそのころからあったのね。

 ただ、日記だからなのかあまり正式な記録としては扱われてなくて、『駿府政事録』に記されている1613年に徳川家康が見物したというのが最初の花火ではないかといわれています。『駿府政事録』は、駿府城での出来事を記録した政治録ですね。

玉屋と鍵屋、日本独自の花火文化

 16世紀以降、日本で花火の生産が始まったとされています。花火といえば「たまや〜」「かぎや〜」の掛け声が有名ですね。

掛け声だけはなぜか知ってるのよね。

 鍵屋の初代・弥兵衛は1659年におもちゃ花火を売り出し、一躍有名になった花火師です。鍵屋はその後も研究を重ね、両国の川開きの際に、飢饉やコレラによる死者を慰めるために徳川吉宗が開いた水神祭で花火を披露するまでになりました。ちなみに、この両国川開きでの花火が隅田川花火大会の基となったといわれています。

 玉屋は鍵屋から遅れること約150年、1808年に鍵屋6代目・清七の暖簾(のれん)分けによって誕生します。両国の川開きでは、鍵屋が上流、玉屋が下流で花火を打ち上げていました。「たまや〜」「かぎや〜」の掛け声は、この時にどちらの花火が素晴らしいかを観客が評価したものです。

どっちが人気だったの?

 玉屋が圧倒的に人気だったようです。しかし玉屋はその後失火を犯してしまい、江戸で花火を打ち上げることを禁止されてしまうんです。鍵屋の方は、なんと現在も続いていて、15代目は天野安喜子さんという方が襲名しています。

 ちなみに鍵屋、玉屋という名前は、鍵屋が「鍵屋稲荷」を守護神としていたことに由来しています。片方の稲荷様が鍵を、もう片方の稲荷様が玉を持っていたことから、玉屋になったのだそうです。

花火の種類

 打ち上げ花火は大きく「割物(わりもの)」「ポカ物」「型物」などに分けられます。

どういう基準で分けてるの?

 本当に大きく分けてしまうとこんな感じです。

割物 割物は一般的な丸く広がる花火のことで、尾を引いて広がる「菊物」、尾を引かない「ボタン物」などに細分されます
ポカ物 ポカ物は玉の中にさまざまな星(火薬のかたまりで、割物では花火の花弁の部分となる)が入っていて、くす玉のように空中で割れると中の星が飛び出して発光します
型物 型物はUFOとかスマイルマークとか、絵文字みたいな花火のことですね

 ちなみに花火の色はカルシウムだったら橙赤色、銅だったら青緑色という風に炎色反応によって色を表現していますが、江戸時代の花火は今ほどカラフルではなく、赤色に光るだけのものだったようです。

浮世絵に見る花火

 花火の歴史、いかがだったでしょうか。

花火を見るのが楽しみになったわ!

 私も自分で調べていて見たくなりました。当時の花火を描いた浮世絵がありますので、今回はこちらを見ながらお別れとしましょう。

名所江戸百景 両国花火(歌川広重) 名所江戸百景 両国花火(歌川広重)
名所江戸百景 両国花火(歌川広重) 名所江戸百景 両国花火(歌川広重)
両国の花火(歌川広重) 両国の花火(歌川広重)
江戸自慢三十六興 両こく大花火(歌川豊国|歌川広重) 江戸自慢三十六興 両こく大花火(歌川豊国|歌川広重)
両国納涼花火ノ図(一立斎広重) 両国納涼花火ノ図(一立斎広重)
夕涼花火賑(豊原国周) 夕涼花火賑(豊原国周)
夕涼花火賑(豊原国周) 夕涼花火賑(豊原国周)
夕涼花火賑(豊原国周) 夕涼花火賑(豊原国周)
花火製造方 『花火製造方』いつごろ書かれたのかは定かではありませんが、花火の調合を記した本もありましたた。
rmdegi147-10.jpg 主に焔硝(硝酸カリウム)、硫黄、灰、鉄を使用していたみたいですね
rmdegi147-11.jpg 面倒くさかったのか省略しちゃってますね。硫黄は「ゆわう」と表記していたようです

(出典=国立国会図書館)

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia Book Club会員登録がまだの方はこちら

電子書籍/紙を問わず、読書を愛する皆さまに向け、特別な情報提供、書籍の献本、著者や業界関係者との懇親会、執筆活動を検討されている方へのサポートなどを順次提供し、皆さまの読書を強力にバックアップします。

コンテンツパートナー

新刊JP
ラノコミ.com
hon.jp
新文化通信社
Good E-Reader Blog
ぶくまる