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» 2014年07月29日 14時00分 UPDATE

電子コミック配信大手Comixology、DRMフリーのファイルダウンロードを提供開始

Top ShelfやDynamite、Image Comics、MonkeyBrain Comics、Zenescope、Thrillbentといった出版社もこの取り組みに参加している。

[西尾泰三,eBook USER]
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 Amazon傘下で電子コミック配信大手の米Comixologyは、ユーザーが購入した作品をDRMフリーのファイルでもダウンロードできるようにした。サンディエゴで毎年開催されているポップカルチャーの祭典「コミコン・インターナショナル」の期間中に発表されたもの。

 今日、電子書籍の世界では、DRMによって「書店」に囲い込まれている。例えばKindleストアで購入したものをKoboのアプリで読めない――その逆もしかり――ように。Comixologyも専用のアプリを提供している。

 DRMフリーなファイルであれば、ユーザーが自由に読書環境(リーディングシステムなどともいう)を選んで読むことができるほか、サービスが仮に終了してしまったとしても、ローカルにダウンロードしたファイルまで読めなくなってしまうことはない。

 DRMフリーを志向する動きに対し、出版社や著者からの抵抗もいまだ少なくないが、今回の発表では、Top ShelfやDynamite、Image Comics、MonkeyBrain Comics、Zenescope、Thrillbentといった出版社もこの取り組みに参加しているのが目を引く。また、Comixologyで作品を公開したいクリエーター向けにも公開時の設定でDRMフリーを選択可能にしている。

 ICv2とComichronが共同で実施した調査によると、2013年の北米のコミック市場は8億7000万ドル(約890億円)と推定されている。内訳は、雑誌スタイルのコミックスが3億6500万ドル、単行本スタイルのグラフィックノベルが4億1500万ドル。電子コミック市場は、全体の約1割に当たる9000万ドル(約92億円)となっている。

 一方、日本のコミック市場は、全国出版協会が刊行している『出版月報』2014年2月号によると、コミックス、コミック誌を合わせた2013年の販売金額を3669億円、うちコミックス(単行本)は2231億円と推定している。電子書籍市場におけるコミックの割合も高く、市場規模感は日本の方がはるかに大きい。

 北米市場での電子コミック市場はまださほど大きくないとはいえ、Comixologyがユーザーに選択肢を与えるDRMフリーの方向へかじを切ったことは、指折りのビッグニュースといえるだろう。これがどのような広がりを見せるか注目される。

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