薄くてフレキシブルなバッテリー技術が電子書籍リーダー端末を強化?

印刷可能な軽量バッテリーの登場で製品デザインは大きく変わる?

» 2014年07月23日 18時47分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 電子ペーパーのトップベンダーは今、スマートウォッチや電子書籍リーダー端末にみられるよう、柔軟性のあるスクリーン技術の開発に余念がない。しかし問題は、端末を構成するそれ以外の部品の多くは曲がらないということだ。

 そんな中、カリフォルニアのスタートアップ「Imprint Energyは、大容量で、柔軟性があり、繰り返し充電できるバッテリーの開発を進めている。同社が開発しているのは、固体の亜鉛電解質を用いた薄いバッテリー。工業用のスクリーン印刷機で安価に量産できる代物だ。

 通常、多くのスマホや電子書籍リーダー端末に搭載されているリチウムベースのバッテリーはさまざまな安全対策が取られており、それがサイズと容量を肥大させている。「WEXLER Flex ONE」のような(柔軟性があることを売りにした)製品がブレイクしない理由だ。スクリーンに柔軟性があっても、巨大なバッテリーが真のフレキシブルを妨げてしまっている。

 Imprint Energyの共同創設者、ブルックス・キンケード氏は、亜鉛バッテリーは薄膜リチウムバッテリーとプリントバッテリーの長所を併せ持つと話す。薄膜リチウムバッテリーは充電を繰り返し行えるが、容量と製造コストに課題があり、一方のプリントバッテリーは繰り返し充電できないものの、容量と製造コストに優れている。

 こうしたプリントバッテリーは柔軟性もそうだが、保護シートなどにも印刷できるという意味で注目だ。電子書籍リーダー端末を開発する企業も、時には端末重量の半分近くを占める従来のリチウムイオンバッテリーから、気軽に使い回せる保護シートを兼ねたバッテリーへとシフトし始めるかもしれない。

Copyright© 2015 Good E-Reader. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はGood E-Readerとの合意の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。