本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日はレイラからの紹介です。
雲間から明るい日差しがこぼれるこの街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
彼女の好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って書架にメイドがやってきます。
7月も半ばを迎えて、日が暮れても蒸し暑い日が増えましたねー。
昨日、冷房器具をつけずに窓も閉め切って眠ったら、暑さのせいか妙に不穏でそこはかとなく怖い感じの夢を見てしまったわ。
あらー。夢って、起きた後も気持ちに尾を引きますねぇ。
妙に不穏でそこはかとなく怖い感じと言えば、こんな本を見つけたの。
黒いペンで暗く描き込まれた下町風の濃い背景と、薄いタッチでサラッと描かれた人物の対比が目を引きますね。ホラー系のマンガなのでしょうか。
うーん、どちらかというとシュールな世界を主人公がのほほんと過ごす日常マンガ……なのかしら。
この主人公の子、とってもシンプルな線で描かれていますねぇ。濃い背景でも、この子が立っているとなんだかほっとする素朴さだわ。
なんだか不穏な雰囲気が漂っているのに、のほほんとしているものだから、最初はいつこの子が怖い目に遭うのか凄く心配だったのよね。
レイラさん、ホラー苦手ですものね。
本当に。夏は好きだけど、ホラー作品が活発になるのだけは何とかならないかしら。
私も怖いのは得意ではないのですが、この作品は「恐怖」ではなく、「不思議」に近い感じがして……いいですね!
主人公以外の人物は顔が人の形をしていないんですねー。不思議です。白い立方体とか、魚の頭とか、これは……穴の空いたテトラポット?
あ。それ、ある作品で「動物黙らせ機」って名前がついてたわ。たまにちゃんとした人の顔の人物も出てくるんだけど、基本ちょっと異界の住人っぽい人が多いわね。
まぁ、後ろのページに索引が。あら、でも一番前のページに目次もありましたよね?
はい。索引にはこの本に出てくる色々なものが紹介されてます。池は72〜74ページに、電車は53、78、79、112〜115ページに。という風に。
なぜ……なんのために……。
わからないから、なんかちょっと怖いのよ。ちなみに「ま行」のところに凄いのがあるわよ。
ま行? ……あ、これですね。この読めない、×から始まるモノ。
コレが「ま行」っていうのが、ね。背筋がザワッとするんです。
(索引から逆引きをしつつ)ふむふむ、コレは「わからなかった思い出」というお話に出てくるおばあちゃんからの贈り物なんですね。わー、このお話のおばあちゃん、凄くいいおばあちゃんのはずなのに、なんだか妙に怖いです!
そうなの、そうなのよ! このお話の他にも「パイナップルをご存じない」というお話を読むと、今まで何の疑問もなく食べていたパイナップルが凄く異質で気味の悪いもののように感じられるという希有(けう)な体験が出来てオススメよ。
なんだか凄く引き込まれる作品ですね。短いひそやかな意外性が隠されていて、次はどんなお話かしらと目が離せなくなりそう!
短編が多いので1話、1話はサラッと読めつつ、漫画の合間に入る作者の日記も短いながら読み応えがあって1冊で凄く楽しめる本なの。皆さんも良かったらぜひ読んでみて頂戴ね。
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:31% レイラ:66% サヤ:66%
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