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» 2014年07月02日 21時00分 UPDATE

国際電子出版EXPOリポート:今見ておきたい電子出版ソリューション――気になるブースに行ってみた

東京ビッグサイトで開催中の「第18回国際電子出版EXPO」。電子書籍に関連した85の企業がひしめく会場で、注目のサービスやコンテンツをチェックしていく。

[宮澤諒,eBook USER]

 7月2日に開幕した「第18回国際電子出版EXPO」。「第21回東京国際ブックフェア」など5つの展示会と同時開催され、すべてあわせると過去最多となる1530社の企業が参加している。

 ここでは、第18回国際電子出版EXPOに出展している、電子書籍関連企業85社のブースを巡り、記者が気になったサービスやコンテンツなどを取り上げていく。

メディアドゥ

 5月13日に電子図書館プラットフォームの世界最大手、米OverDriveと戦略的業務提携を結んだメディアドゥ。同社ブースでは、今後注目の電子書図書館ソリューションが紹介されている。

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 図書館がどのようなフローで電子書籍を導入することになるのか、その一端も確認できる。まず、図書館側は貸出用のWebサイト「OverDrive Digital Liberary」を構築する必要がある。同サイトはメディアドゥがテンプレートを用意しているほか、サポートも提供するという。

 その後、米OverDriveの電子書籍販売サイト「Marketplace」で電子書籍を購入(Amazonのようにカートに入れて購入する。検索機能を使えば、作家ごとの購入なども可能)。購入した電子書籍はOverDrive Digital Liberaryに登録され、図書館利用者はそこにアクセスすることで電子書籍を借りることができる。なお、借りるには各図書館が発行している図書カードのIDが必要。

 これから国内での展開が本格化するとみられるOverDriveの動きに興味を示している図書館は多いとブース説明員は語ってくれた。

rmfigbook1-3.jpgrmfigbook1-4.jpg 左:Marketplace 右:OverDrive Digital Liberary

 また、2014年秋にリリース予定の絵本ストアアプリ「Toyboo!」の展示も行われていた。同アプリでは、インタラクティブな絵本を配信していく予定で、日本だけでなく、米・伊・仏・伊など海外への配信も予定しており、コンテンツを制作するためのツールも用意されるという。

rmfigbook1-5.jpgrmfigbook1-6.jpg タップすると……小判が飛び出る

 そのほか、メディアドゥは今後の展開として、月間利用者8000万人を誇る米国最大のオンライン文書共有プラットフォーム「Scribd」へコンテンツの独占提供を行うという。Scribdには5500万に上るドキュメントが共有されており、月8.99ドルの定額で利用できる。こちらの詳細は後日改めて発表していくという。

スターティアラボ

 スターティアラボのブースでは、電子書籍作成のためのソフト「Actibook」の展示が行われていた。雑誌や書籍、カタログ、パンフレットなどの紙媒体のPDFや画像データを使い、PC・iPhone・iPad・Android、Windows アプリ・HTML5・Flashなどの形式に対応した電子書籍を作成。作成した電子書籍のログ解析をすることもできる。

rmfigbook1-8.jpgrmfigbook1-9.jpgrmfigbook1-10.jpg

rmfigbook1-11.jpgrmfigbook1-12.jpgrmfigbook1-13.jpg さまざまな角度からの分析が可能

 ある漫画雑誌では、まだ誌面に載せられないような新人作家の作品をActibookを使って電子化し、閲覧数などの検証を行った事例もあるという。

 さらに同社のブースでは「COCOAR」というAR制作ツールも展示されていた。ブラウザ上で、読み取り用のマーカーと表示させるコンテンツを登録し、COCOARのアプリを起動してマーカーにかざすだけで、コンテンツを表示させることができる。表示可能なコンテンツはテキストや画像のほか、動画や音楽、Webサイトなど。同ツールを利用することで、例えばレストランのメニュー表でクーポンを配信できたり、カタログに掲載されている商品に関連した動画を流したりできる。

 「2、3分で作れますよ」という担当者に見せてもらったARがこちら。

rmfigbook1-14.jpgrmfigbook1-15.jpg 角度に合わせた表示

ボイジャー

 7月1日に記者発表会を開催したボイジャー。同社ブースで注目は、発表されたばかりの電子出版サービス「Romancer」だろう。

 RomancerはWordやPDF、テキストなどのデータ、またはRomancer上のビジュアルエディタで入力した内容からEPUB 3データに変換したり、Romancer上に公開できるサービス。

 出版に関する基本的な部分は無料で利用できるほか、必要ならば有料でAmazon Kindleストアなどの電子書店での販売や、編集・校正などのサポートもしていくという。料金体系などは現在のところ設けておらず、Romancerのサイト内問い合わせフォームから個別に相談にのるという。

rmfigbook1-17.jpg 左:Romancerの編集画面 中:Wordのデータ 右:Romancerを使って制作したデータ

 また、ボイジャーのブースでは期間中、21ものセミナーを開催予定。集英社取締役兼デジタル事業部部長の茨木政彦氏をはじめ、ブックコーディネーターの内沼晋太郎氏や漫画家の鈴木みそ氏など豪華なスピーカーが登場するので、時間がある人は足を運んでみるとよいだろう。

rmfigbook1-18.jpg Romancerを使って電子書籍を出版した池澤夏樹氏

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