本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日はミソノからの紹介です。
街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
今日はミソノからサヤへ、本をおすすめするようですよ。
梅雨の合間に、おひさまが顔をのぞかせていますね。とはいえ、なかなかすぐに遠出するのは難しい……。忙しい日々の合間に「山小屋」という文字が目について、この本を開きました。
登山の本ですか?
山岳ガイドもされるというライターさんが、気になる山小屋を自ら訪ねてリポートされています。
1軒の山小屋につき3ページ程度の文章と数枚の写真で構成され、掲載されている山小屋は27軒。ページを開くと、まずは山々の美しい写真が目に飛び込んできます。新緑のころ、日陰に見える残雪、そして鮮やかな紅葉の時期……。高く、深い山の様子はページのこちら側でも深呼吸をしたくなるほど雄大です。その高い高い山の、そのまた尖った稜線にぽっつりと赤い屋根を発見したときは、思わず息を飲みました。「なんでこんな険しいところに山小屋を建てたんですか!」と、驚いてしまいました。
険しい山だからこそ、休憩が大事なんですよ。
そうなのよね! 登山者をあたたかく迎える宿泊や食事の描写がとっても魅力的なんです。
27軒の山小屋は、100人泊まれる山小屋もあれば、最大収容人数25人と小さな場所も。それぞれの主がいかにして山小屋に入ったか、そのいきさつを語りながら、随所に小屋の様子が盛り込まれます。山岳警備隊だった方が引退されて山小屋の主となったり、お父さんの跡をついで2代目の主になったりと、さまざまなエピソードに引き込まれ、そして端々に書かれた特製のカレーや、大きなカップに淹れられたコーヒーなんて、いかにもおいしそうでにっこりですよー。
山で食べるごはんっておいしいですよね。
サヤちゃん、そう言えばなんだか山に詳しいのね?
実は幼いころは、山好きな両親に連れられていろいろな所に行きましたよ。このページに載っている山小屋みたいな所に泊ったりも!
まぁ! 山道を歩いて、こんな美しい風景を見て……素敵ねぇ。
んー……、山歩きは楽じゃないですよ。疲れるし、お天気悪いと景色は見えないし、ほんとみじめですよ。
み! じ! め!
あっ! でも、たどり着いた山小屋で、オーナーさんたちは、よく幼い私の相手をしてくれました。揺れる灯りの下で、カードゲームの相手をしてくれたのを今でも覚えています。
いい思い出の話になってよかったわ!
とはいえ、山は年中晴れているわけでもないし、季節もいつもベストシーズンでもないのは確かよね。多くの山小屋の方は、夏を山で過ごして冬は山を下るのだとか。決して条件がいいとはいえない中でも、真摯に山小屋と登山者を迎える主たちの様子は、すがすがしさを感じます。その小屋の建つ山がいかに美しいか、そして主たちの山への想い、心づくしのもてなしが紙面からにじみ出るようです。
山岳雑誌に10年間連載されたとのことで、当時の文章・写真だけでなく、2014年現在の様子がひとこと添えられているのも嬉しいです。今すぐに山に旅立つには、時間も装備も体力だって、なにひとつ用意はないけれど、山小屋とその主人がいまもどこかでランプに灯りをともしている……そう思うとなんだかふと胸の奥が豊かになる気がしたのでした。
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:24% レイラ:54% サヤ:63%
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