移りゆく季節を紙で表現『だれでもできる「起こし文」』私設図書館シャッツキステ52冊目

本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日もミソノが本を持ってきました。

» 2014年05月16日 12時00分 公開
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 街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。

 そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。

 今日はミソノからサヤへ、本をおすすめするようですよ。

移りゆく季節を紙で表現『だれでもできる「起こし文」』

サヤ

大型連休も終わっちゃいましたね……。そしたら陽射しも急に強くなって。このまま暑くなるのかなぁ……はぁ……。


ミソノ

とっても気候の良い5月、もう少ししたら梅雨の6月、それが明けたら夏ですね。この間まで花咲き乱れる春がやってきた! と思っていたのに、季節はどんどん移り変わりますねー。せっかくなので、くるくる変わる季節を手作業を通して表現してみたらどうかしら?


サヤ

季節を手作業でって、どういう意味ですか?


ミソノ

紙工作のジャンルに「ポップアップ」という手法があるのは知っていますか?


サヤ

あ、飛び出す絵本とかで見たことあります。ページを開くと、折り畳まれていた仕掛けが、びょーんと飛び出してきたり!


ミソノ

そうそう! 今日紹介するのはその仕組みを使って、メッセージカードを作る手芸の本です。この本では、カードを開くと飛び出る仕掛けのことを「起こし文(おこしぶみ)」と言っています。内容が「和」のテイストで統一されているのが、この「おこしぶみ」という言葉の響きからも伝わるでしょうか。


『だれでもできる「起こし文」』(山岡進/情報センター出版局) 『だれでもできる「起こし文」』(山岡進/情報センター出版局)
サヤ

わ! 神社や縁側! 和の世界のカードがいっぱい!


ミソノ

カードのモチーフには、梅や土筆(つくし)から始まって、蛍や朝顔など、四季折々を取り入れた作品が紹介されています。こうして見ると、春夏秋冬それぞれが魅力的だなぁ、早く次の季節がやってこないかなぁ、って楽しみになってきますよー。


サヤ

このカードは自分で作ることもできるんですか?


ミソノ

そうなんですよー。作品と一緒に作り方が載っています。はい、どうぞ。


サヤ

ん? でもこの作り方、寸法が書いてないですよ? 手描きでずいぶんざっくりとした作り方ですねぇ!


ミソノ

「作る人が自分でいろいろ工夫してほしい」という思いで、作者さんはあえてサイズなどの詳細を明記しなかったんですって。でも試しに一つ作ってみると、その仕組みはすっごくシンプル! 素朴な仕掛けなのに、二つに折っただけの小さな紙片が、カードを開くと見事に縁側や行灯に早変わり。最初は和の風景がカードに見事に再現されているのに驚き、次にポップアップの仕組みのあまりの単純さに驚きます。そして「こんなにシンプルなのにこんなに美しい……」と単純な仕組み×研ぎ澄まされたデザインから生まれるカードにあらためてうっとりする三段階!


サヤ

よくよく見たら、私にも作れるかな? 私だったらこの金魚鉢には黒い金魚をたくさん泳がせるかなぁ。


ミソノ

そうやって、「私だったら、こんな風景が作りたいなぁ」って想像も広がりますね。巡る季節に思いをはせると、ちょっとした気温の変化も、むしろ楽しみになるんじゃないかしら。


ミソノの好感度パラメーター

本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?

エリス:24% レイラ:49% サヤ:60%


本日のメイド

ミソノ ミソノ:いつもニコニコ、図書館を影から支える司書メイド。好きなジャンル:絵本、児童書、旅行記、本、紙、図書館
サヤ サヤ:三度のご飯より小説が好きな新米メイド。司書見習いとして、本棚整理などミソノの仕事をよく手伝っている。好きなジャンル:近現代文学、少女漫画

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