出版業界ニュースフラッシュ 2014年5月第2週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。5月第2週は出版協の会員3社がAmazonに対する出荷停止の措置を発表したことが話題となりました。

» 2014年05月12日 14時30分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

出版協、「Amazon Student」で会見

 日本出版者協議会は5月9日、会員社の水声社、晩成書房、緑風出版は3社合計約1600点の商品出荷を5月7〜9日から半年間、停止すると発表した。アマゾンジャパンが2012年から実施する大学生対象の10%割引プログラム「Amazon Student」を再販違反と判断した。また、三元社と批評社は来週以降に1カ月の商品出荷停止(合計約1100点)に踏み切る。

 出版協加盟の約40社は改めて同プログラムのポイントサービスの対象から自社商品を除外することを日販と大阪屋を通じ、Amazon.comInt'lSales,Inc.に求めていく。

値引き販売をこのまま放置した場合、「リアル書店への波及が懸念され、市場の寡占化を生み、出版の多様性確保が困難になる」と指摘、出荷停止の措置をとった。

謝恩本フェア、トータル売上げ3240万円で過去最高

 上野恩賜公園(東京・台東区)で5月3日から5日に開催された第15回「上野の森親子フェスタ」のチャリティ・ブック・フェスティバルは、前回を上回る好成績となった。売上げは初日が1277万円で前回より120万円ダウンしたが、2日目1090万円(前年比110万円増)、3日目870万円(同27万円増)と踏ん張った。

 東京国立博物館平成館で実施した講演会(4コマ)は約1200人が参加した。

 出展数は72社・団体の60テント。20社以上がサイン会や読み聞かせなどのイベントで読者を引きつけた。初出展はイースト・プレスや視覚デザイン研究所、版元ドットコム、リトルモアなど8社。

「日経ストア」、登録者数10万人突破

 日経新聞社が運営する電子書籍販売サイト「日経ストア」の利用登録者数がこのほど、10万人を突破した。同ストアは、昨年5月オープン。経済・ビジネスなどの分野を中心に、日経グループの電子書籍・雑誌を提供している。

 同社では、10万人突破と1周年を記念して、5月15日から6月30日まで100冊を対象にした半額キャンペーンを実施する。

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