連載
» 2014年04月18日 11時00分 UPDATE

私設図書館シャッツキステ50冊目:変えたい未来、消せない後悔『orange』

本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。どうやら、サヤのもとに10年前の自分から手紙が届いたようですよ。

[eBook USER]
wmfigschatz02.jpg

 街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。

 そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。

 彼女の好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。

変えたい未来、消せない後悔『orange』

サヤ

最近、何かの記念に埋めたタイムカプセルが掘り起こされたらしく、わたしのもとに10年前の自分からの手紙が届いたんですよー。


ミソノ

あら! なんて書いてあったの?


サヤ

10年後のわたし、つまり今のわたしが何をしているかというのが書いてあって、それが妙に現実的で面白かったです。「文学の勉強をしている」っていうのはいいというか当たっているんですが、「24時間開いている便利なお店で働いている」って、ちょっと夢がなさすぎるよ! と小さいころのわたしにつっこみを入れたくなりました。


ミソノ

身近な上に、便利ですからね。あこがれる気持ちも分からなくもないですねぇ。10年前のサヤちゃんの予想は半分当たって半分外れたけれど、今から10年後はいったいどうしているかしら?


サヤ

全然想像できないですよねー。そういえば最近読んだものの中に、10年後の自分から手紙が来るというちょっぴりSF風味なマンガがあって、それがすごくお勧めなんですよ。


ミソノ

10年後? 未来からの手紙が届いてしまったのね!


サヤ

10年後の自分からの手紙には「同じ間違いを繰り返してほしくない」と、その時々に選んで欲しい道が書かれてるんです。そしてその手紙の一番の目的として、好きになった男の子が10年後の未来にはいない、その後悔を一生残して欲しくないと書かれています。大切な人がいなくなってしまうと知ったら、どうしましょう?


ミソノ

あわわ……。


サヤ

全力で阻止するしかないですよね。『orange』の主人公も、その男の子のいない未来を変えるため、10年後に後悔を残さないため手紙にあるように自分の行動を変えていきます。実際に行動を変えることで、手紙に書かれているのと違う出来事が起こったりするんですが、手紙の内容は変わらないんですよ。不思議ですよね。


『orange 1』(高野苺/双葉社) 『orange 1』(高野苺/双葉社)
ミソノ

タイムパラドックスというとらえ方かしら。


サヤ

そうですね。『orange』の中でタイムパラドックスとパラレルワールドの話がちらりと出ているので、その手紙は別の時間軸の自分から来ているんでしょうねきっと。でもそうだとすると、手紙を出した未来の自分の後悔って消えることはないじゃないですか。そう考えるとなんだかすごく切ない気持ちになりませんか?


ミソノ

誰のいる未来を選ぶのか……考えてしまいますね。


サヤ

背表紙に「青春SFラブストーリー」とあるとおり、『orange』はわたしの大好きなときめきを感じられる作品です。でもそのときめきの背景には、消せない未来の自分の後悔とか、失うかもしれない不安とか、変わっていく未来への希望とかそういういろいろな気持ちがあって、読んでいるとすごく複雑で不思議な感覚になります。だからこそ手紙を受け取った自分がどんな未来をたどっていくのか、気になってしまうんですよね。


ミソノの好感度パラメーター

本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?

エリス:24% レイラ:49% サヤ:60%


本日のメイド

ミソノ ミソノ:いつもニコニコ、図書館を影から支える司書メイド。好きなジャンル:絵本、児童書、旅行記、本、紙、図書館
サヤ サヤ:三度のご飯より小説が好きな新米メイド。司書見習いとして、本棚整理などミソノの仕事をよく手伝っている。好きなジャンル:近現代文学、少女漫画

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia Book Club会員登録がまだの方はこちら

電子書籍/紙を問わず、読書を愛する皆さまに向け、特別な情報提供、書籍の献本、著者や業界関係者との懇親会、執筆活動を検討されている方へのサポートなどを順次提供し、皆さまの読書を強力にバックアップします。

コンテンツパートナー

新刊JP
ラノコミ.com
hon.jp
新文化通信社
Good E-Reader Blog
ぶくまる