本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。39冊目はちょっと変わったカップルのご紹介です。
季節外れの暖かさに包まれたこの街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
今日は先日のお礼に、ミソノからサヤに、本をオススメするようですよ。
サヤちゃんがこの間すすめてくれたマンガは、思わぬ家族構成になってしまうのが出だしの作品だったので、今日はわたくしも変わった家族構成のマンガをご紹介しますね。
こちら『かわうそは僕の嫁』です。
かわうそってビーバーみたいな生き物ですよね。
そうそう!胴体が長めでどことなくつるんとした河に住むイタチ科の哺乳動物です。そんなかわうそさんが、お嫁さんなんです!
かわうそが嫁……。ということはこの表紙のメガネの人が旦那さんですか? 人間ですよ?
街の商店街でコーヒー店を営む若きマスターのお嫁さんは、可愛いかわうそなんです。
人間の旦那さまに、かわうそのお嫁さん……思わず「どうしたのかしら?」と思う組み合わせですが、これが意外にも、実にナチュラル。このマンガのかわうそさんは二足歩行で人語を解することができるので、そこは通常の動物とは違います。でも、ドジョウの踊り食いが好きだったり、鋭い爪を持っているのでスマホが使えなかったりと、野性味も併せ持つかわうそさんです。
旦那さまとお嫁さんが手を繋いでいますが、街中で目立ちませんか?
目立ちます目立ちます。ふたり一緒に動物園近くを散歩すると「希少動物誘拐犯」と勘違いされるレベルで目立ちます。でも、ふたりはそれをさらりと受け流します。「動物園や水族館がだめなら、海へ行こうか」とドライブしておでかけ! お嫁さんは水遊び、旦那さまは釣りをして海を堪能します。「わたしが獲ったほうが早いのに」と言うお嫁さんに、「それだと魚がちょっと粉々になっちゃうから……」と少しだけ苦笑する旦那さま!
なんだかリアルが充実しているカップルじゃないですか……!
ふたりでお酒を酌み交わしたり、お出かけしたり、ふたりの暮らしはほのぼのと優しく、大充実ですよ! そしてそれがわたくしたち読み手の心をも、ほっとさせるのです……。時に素朴な視点も覗かせるかわうそ嫁のピュアさ。穏やかで心優しい旦那さまの、けれど嫁に対する真摯な愛……このカップルに幸あれ! と応援したくなります。
地域商店街の皆さまをはじめ、出会うみんなが、コーヒー店をお手伝いするかわうそ嫁をナチュラルに受け入れているのも納得です。
旦那さまの入れるコーヒーもおいしそう!
コーヒーやドーナツなど、おいしそうですよね。あったかほんわかと、湯気が漂ってきそう! そうそう、ふわふわパンケーキもおいしそうなんですよ。
かわうそさんも目を輝かせてますね……このパンケーキに何かあるんですか……?
うふふ。ふっくら積み重なったパンケーキにも、かわうそさんらしさが隠れているんですよー。種明かしをされても「まぁ、それはおいしそう!」と思ってしまう、かわうそ嫁ならではのメニューです。
絵柄は、人物の男性陣が何気なくみんな見目麗しい! 少女マンガのようなタッチですが、かわうそ嫁のキャラクターっぽさと相まって、普段少女マンガ風のものから遠ざかっている方も読みやすいのでは?
種族を越えたカップルの切なさもちらりとのぞかせ、それを包括してしまう優しさに力強ささえ感じてしまいますよ。
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:12% レイラ:30% サヤ:43%
本連載の舞台「私設図書館シャッツキステ」が4コマ漫画になりました。総メイド長・エリスが、オタクなメイドたちが繰り広げる、ほのぼのとした館内の様子を描いています。メイドたちについてや彼女たち着用のメイド服についての解説もあり、読み応えありです。
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