本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。紅茶を楽しめるシャッツキステにふさわしい36冊目は、ツンデレメイド・レイラによるご紹介です。
すっかり寒くなったこの街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。そこには書架を守る司書メイドがいます。
ほんわりおっとりした司書メイド・ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。司書メイドの好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。
ミソノさん、あけましておめでとう。当館で毎年恒例の書初めはもう書きました?
あけましておめでとうございます。まだなんですよー。もし書くなら「晴耕雨読」かしら。レイラさんは何と書いたのですか?
わたくしはオーソドックスに「温故知新」にしたわ。今年は8世紀〜16世紀ごろまでの日本史と16世紀以降のヨーロッパ史を特に学びたいと思っているの。
まあ、随分と具体的ですね。
実は紅茶の勉強をしているうちに、あのころの歴史をちゃんと理解してないと、知識が深めにくくなってきたのよね。
おいしく紅茶を飲む勉強を深めると歴史にまでたどり着くんですねぇ! 16世紀のヨーロッパといえば大航海時代。紅茶が中国から輸入され始めたころですか? でも、8世紀以降の日本史って……紅茶の勉強に必要なんですか?
8世紀は中国で世界最古のお茶の本「茶経」が書かれ、日本にお茶が仏教とともにやってきたころなの。それから戦国時代には茶の湯の文化が花開いて、当時日本に来ていたオランダ人にお茶の魅力が伝えられた事が後のイギリスでの紅茶ブームに繋がっていったといわれているの。
まあ、そうだったんですね。戦国武将が茶事をたしなんでいたのは知っていましたが、それが海を越えて繋がるとは……!
詳しくはこの『茶の世界史―緑茶の文化と紅茶の社会』に書いてあるので、是非読んでください。
これはわたくしがティーインストラクターという資格を取る勉強をしていた時に、日本紅茶協会から教科書として渡された本の1つなの。
そういえばあの時期、「筆記試験がすごく大変だ」って、レイラさんがんばってましたね。イギリスが紅茶の国になった経緯をA4サイズのレポート紙に1枚分ぎっしり記入する問題があったとか。
うふふ、ノート持ち込み無しのテストでまさかあそこまで書かされるとは思いませんでしたよ。
ではこれはレイラさんの追試の思い出も詰まった、大切な本なのですねー。
わー、追試の事は言わないで!
でも年号やカタカナの名前を覚えるのが苦手だったわたくしが大好きなお茶をテーマにすることで歴史を学ぶ面白さを知る事ができた本なので、本当にオススメですよ!
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:12% レイラ:40% サヤ:38%
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