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» 2013年12月06日 12時00分 UPDATE

私設図書館シャッツキステ32冊目:寒い日に心に染み込むあたたかさを感じられる『雪窓』

本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。32回目は、ミソノからのご紹介です。最後には「本がたり」のお知らせもありますよ。

[eBook USER]
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 すっかり木の葉も落ちたこの街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。そこには書架を守る司書メイドがいます。

 ほんわりおっとりした司書メイド・ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。いつもは司書お気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってくるところですが、今日はミソノからオススメ返しをしているようですよ。

寒い日に心に染み込むあたたかさを感じられる『雪窓』

ミソノ

そろそろ空気が冷たい季節。北風に首をすくめたとき、温かなおでんの匂いが鼻をくすぐれば……どんなにかほっとするでしょうね。


サヤ

お出汁のいい匂いに、だいこん、こんにゃく……何にしようか迷っちゃいますね!


ミソノ

そんな時にこのご本は、温かさがじんわり染み込むような絵本ですよー。安房直子さんの『雪窓』です。

著者は短編の童話を数多く残した作家さんです。日常とファンタジックな感じが溶けあって、切なさをひと匙垂らしたような作風で印象的。教科書に採用された『きつねの窓』を知っている方もいらっしゃるかしら。


『雪窓』 『雪窓』(安房直子作|山本孝絵/偕成社)
サヤ

少し不思議なお話なんですか?


ミソノ

そうなんです。

季節は雪の降るころ。独り、山のふもとでおでんの屋台『雪窓』を営むおやじさんのもとにたぬきがやってきます。気のいいたぬきをおやじさんは助手に雇うことになるのですが、このおやじさんとたぬきのほのぽのっぷりが、なんともかわいいのですよ! たぬきさんはなかなか具の名前が覚えられないのですが、表現がまたいいのです。彼いわく「三角のぷるぷるっとしたやつ」って。何のことかわかりますか?


サヤ

三角……ぷるぷる……あ!


ミソノ

うふふ。こんにゃくなんですよー。くすぐったくなるような言いかたですよね。

このご本は山本孝さんが絵をつけられた、2006年に発行された絵本なのですが、山本さんの絵がまたとってもかわいいのです! とてもはっきりとした強い色遣い、キャラクターみたいに表情豊かな登場人物たちが、安房直子さんの切ない世界観と混ざり合うと、悲しくなり過ぎない絶妙の雰囲気を生んでいます。三角のぷるぷるを求めるたぬきの真剣なまなざしが愛らしい!


サヤ

あら……まあ、本当ですねぇ。


ミソノ

暗い夜にひとりぽっちで屋台の灯りをともしてきたおやじさんは、お客さんが帰った後、たぬきとお酒を飲みながら話していると「すっかり気ぶんがよくなって、よのなかが、ひとまわりも、ふたまわりも、ひろがったような気になるのでした」と。……ああ、温かなおでんとコップのお酒と楽しい会話。それがどんなに心に染みるでしょうねぇ。


サヤ

こんなに寒い日には、想像するだけで、ほっこりしてしまいますねぇ。


ミソノ

そうよねぇ。そんなに風に過ごしていた2人の元に、雪のどっさり降った夜、1人のお客さんが訪れます。真っ赤な”かくまき”をまとった女のお客は、おやじさんが亡くした娘に不思議と似ていたのです。たぬきは「きっと雪女ですよ」と言うのですが、おやじさんは彼女が忘れて行った手袋の片方を届けようと、ある夜、山を越えて隣村へ向かうことに……。

サヤちゃん、「真っ赤なかくまき」って想像つきますか?


サヤ

文学作品でも見かけたことがあるので、防寒具ということは知っていますけど、ぱっとイメージするのは難しいです。


ミソノ

絵本なので、お嬢さんが厚くて暖かそうなショールを頭からすっぽりかぶっている姿が描かれ、視覚にするりと入って、お話になじめますよ。この真っ赤なかくまきが雪の中、とてもあざやかに印象に残ります。

最後はほっとやさしい気持ちになれるこの絵本、これからの季節に開きたいですね。


サヤ

この間、私設図書館でもおでんがきまぐれメニューに登場したんでしょう?


ミソノ

そうなんですよー。レイラさんが作ってくれました。メイドもお味見してしまいましたが、ことこと煮られただいこんのおいしかったこと! ご本を読んだら、また食べたくなってしまいますねー。


ミソノの好感度パラメーター

本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?

エリス:12% レイラ:30% サヤ:38%


本日のメイド

ミソノ ミソノ:いつもニコニコ、図書館を影から支える司書メイド。好きなジャンル:絵本、児童書、旅行記、本、紙、図書館
サヤ サヤ:三度のご飯より小説が好きな新米メイド。司書見習いとして、本棚整理などミソノの仕事をよく手伝っている。好きなジャンル:近現代文学、少女漫画

eBook USER×シャッツキステ「本がたり夜話会」

 いつもご愛読くださり、ありがとうございます。eBook USER編集部です。

 本連載でもお知らせしましたが、eBook USERでは日頃のご愛顧に感謝し、秋葉原に実在する私設図書館「シャッツキステ」とコラボして、リアルイベントを開催します。本連載でおなじみの司書メイド・ミソノをはじめとしたメイドたちに、あなたのオススメの本を熱く紹介してみませんか?

詳細については以下をご覧ください。

イベント日時:2013年12月12日木曜日 午後8時30分から午後9時30分

場    所:東京都千代田区外神田6-5-11 長谷川ビル1階

イベント内容:
イチオシの本を5分という持ち時間でメイドたちに熱く紹介していただきます。プレゼン方法はスピーチ・PowerPointなどの上映・紙芝居……と何でもありです。プロジェクターをご利用になる場合は、事前にご連絡頂ければ用意いたします(ただし、PCなどの端末はご自身でお持ちください)。

 5名の当選者には1時間30分滞在権(紅茶のお給仕つき)と焼き菓子をお付けします。外れた方も、一般観覧者・通常利用者(通常利用についてはこちらを御覧ください)として館内にお入りいただくことができます。

 5名の本がたり終了後、ミソノ、レイラなどメイドたちを最も楽しませてくださった方を優勝者とし、宝島社発行の「シャッツキステ」が舞台の小説『The Stories of Schatzkiste 〜私設図書館のメイドたち〜』にメイドたちからのメッセージをお付けして進呈します。

募集要項
応募期間 2013年12月6日(金) 〜 2013年12月9日(月)
応募条件 アイティメディアIDの登録ユーザー
当選発表 当選された方には登録メールアドレスにEメールをお送りし、ご案内します。
当選無効 Eメールのご返信は7日以内とさせていただきます。8日目以降にご返信いただいても、当選は無効とさせていただく場合があります。
応募上の諸注意 ・キャンペーン期間中にアイティメディアIDの登録を削除された方は対象に含まれません
・当選者の権利は譲渡・換金・変更することはできません
・厳正な抽選の上、当選者の方へ賞品を発送、もしくはご連絡を差し上げます。なお、賞品のお届け先は日本国内に限らせていただきます。抽選と発表は2013年12月9日〜12月11日の予定です
・お預かりした個人情報は、アイティメディアIDの利用規約とアイティメディア株式会社の 「プライバシーポリシー」に基づいて厳重にお取り扱いいたします
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