出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。11月第3週は、出版4団体が権利付与に関する「緊急アピール」を行ったことなどが注目されました。
関西圏の書店商談会「BOOK EXPO 2013 秋の陣〜動け!書店人〜」(主催/同実行委員会)が11月8日、大阪・北区の梅田スカイビルで行われ、来場書店は前年比18%増の839人、総来場者数は同9%増の1631人で大盛況となった。商談成立額も同7%増の7442万円でいずれも過去最高。
今年はコミックブースを別会場に設け、勉強会なども開催。ほかにも、作家による講演会やPOP講座などが行われ、商談会の枠を越えた一大イベントとなった。当日会場には来賓の雑協・石粼孟理事長(マガジンハウス)や、事務局を務める出版文化産業振興財団(JPIC)の肥田美代子理事長も駆けつけた。
書協、雑協、日本電子書籍出版社協会、日本出版インフラセンターが、電子書籍に対応する出版者の権利を求めて、緊急アピール文を発表。作家、漫画家、ライター、カメラマンなどの著作権者に向けて署名運動を始めた。11月末まで1000人の署名を集める意向。
出版界ではこれまで著作隣接権を求めてきたが、文化審議会著作権分科会出版関連小委員会の「中間まとめ」では、電子書籍に対応した「出版権」を規定して問題解決を図ろうとしている。4団体では海賊版への対処など、紙と電子を一体にした運用が現実的として、著作権者の理解を求めている。
11月12日に取次搬入した33刷・7万部で100万部に達した。2012年4月に初版10万部で発売し、百田氏のテレビ出演が多くなるにつれて加速した。今年は2月に渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』、東野圭吾『プラチナデータ』がミリオンセラーになっており、10カ月で3点という快挙。同社のミリオンは18点目となる。
全国の高校生の図書委員に「文春文庫」ベスト10を選書してもらい、一緒に寄せられた感想文を選考の対象にして、270校に各50冊の「文春文庫」を寄贈した。文庫目録の中から希望する50冊を贈った。当初は200校の予定だったが、多くの感想文が集まり、270校に増やした。
人気のあった「文春文庫」ベスト3は、1.森絵都『カラフル』、2.有川浩『三匹のおっさん』、3.東野圭吾『容疑者Xの献身』
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