ITエンジニア小説シリーズ最新刊、Librahack事件を題材に

あなたはもう結末を知っている。しかし、その発端は知らない。まして、その裏話となれば知りようもない――2010年に起こったLibrahack事件を題材としたフィクション小説がアイティメディアから発売。

» 2013年10月28日 09時30分 公開
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 アイティメディアは10月25日、『ITエンジニア小説 鼠と竜のゲーム 高村ミスズ女史の事件簿』(リーベルG著)を電子書籍で配信開始した。主要な電子書店で配信しており、価格は500円。

 同作は、2010年3月に起きた「岡崎市立中央図書館事件」(別名Librahack事件)をモデルとしたフィクション。蔵書検索システムの使い勝手に不満足のユーザーが、自作プログラムで蔵書検索システムに高頻度のリクエストを故意に送りつけたとして偽計業務妨害容疑で逮捕され、起訴猶予処分となった事件だ。作品内には産業技術総合研究所情報セキュリティセンターの高木浩光氏をモデルとした人物も登場している。

 著者のリーベルG氏は2010年11月、アイティメディアが運営する@ITエンジニアライフ内に「Press Enter」を開設。以来、アイティメディアの運営するブログメディアの中でもトップクラスの人気を誇っている。同作はそこで連載されていた「鼠と竜のゲーム」「高村ミスズ女史の事件簿 結婚詐欺編」を追記修正、新たに「ミドリのプログラミングな1日」を書き下ろしたもの。

 8月から電子書籍でも配信されているITエンジニア小説シリーズの4作目に当たる同作では、表紙イラストに新進漫画家の山田胡瓜氏を起用、解説を@ITSecurity & Trustフォーラム担当編集者だった宮田建氏が担当している。

 「思い込み、希望、理想の“ボタンの掛け違え”で事件は起きる。では、どのボタンを掛け違えなければこの悲劇が避けられたのか――警察側のリテラシーなのか、エンジニアの品質に対する考え方なのか、それともメディアの伝え方だったのか――明確な解はいまだに持ち合わせていない」と解説を担当した宮田氏。ボタンの掛け違えが生み出したこのIT系ミステリーを楽しんでみてほしい。

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