Google、電子書籍内のイベントトリガー型音声向け新特許を申請

Googleが特許を申請している電子書籍関連の新特許。読者が特定の語りや音声効果を体験できれば、書籍はどう変わるだろう。

» 2013年10月16日 09時55分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 Googleは電子書籍に音声を付加する新特許を申請したばかりだ。音声は打ち寄せる波の音や、次第に強まる不吉な音、あるいは屋外市場の喧騒など文中のイベントをトリガーとして再生されるものだ。新アプリケーションはサーバ上に音声を蓄積し、読書時にプッシュ配信される。

 特許内容の概略は抜粋から読み取ることができる。「電子書籍内で音声を再生するためにトリガーポイント情報が電子書籍向けに生成される。トリガーポイント情報向けリクエストがクライアントから受信される。電子書籍向けトリガーポイント情報を決定するために電子書籍が分析される。トリガーポイント情報は電子書籍内トリガーポイントの位置を識別する位置情報を含む。トリガー情報はトリガーポイントで再生される音声を示す音声情報も含む。決定されたトリガーポイント情報はトリガーポイント向けリクエストに反応してクライアントに送信される。電子書籍内でユーザーの読書位置を追跡し、トリガーポイント位置でユーザーの電子書籍読書行為に反応する音声情報により示された音声を再生するようにクライアントが設定される」。

 テキスト読み上げ機能はこの新特許から実際に得るものがあるかもしれない。Kobo、Amazon、Barnes & Nobleの多くの電子書籍読書アプリはこの機能をサポートしておらず、視覚に障害を持つ消費者は本の読み上げを望んでいるかもしれない。通常の電子書籍コストの数倍になることもあるオーディオブックを購入する代わりに、アプリに追加されるこの新機能によりユーザーはテキスト読み上げ機能を利用できるかもしれない。

 この新技術は子ども向け書籍にも有用そうだ。現在、ほとんどのエンハンストブックはインタラクティブ要素とナレーション付きの読書体験を提供している。The Guardian主催のフォーカスグループによると次のようなことが分かった。「研究者によるとエンハンスト電子書籍を読んでいる子どもたちは同じ本のプリント版を読んでいる子どもたちよりもかなり少ない物語の詳細しか記憶しておらず、追加機能がインタラクションの妨げになっている可能性があると推測している」。インタラクティブ機能をその場しのぎや中心的なセールスポイントとして利用せずに、読者が特定の語りや音声効果を体験できるのは非常に魅力的だ。

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