本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。連載17回目は、ミステリー好きのレイラが、こだわりの1冊をオススメしています。
街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイド、ミソノがいます。
ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
司書メイドの好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って書架にメイドがやってきます。
ごきげんよう、ミソノさん。突然ですが、ミステリはお好きですか?
少しですが、読んでおりますよー。
まぁ、そうなんですね。わたくしもミステリ小説全般に詳しい、というわけではないのですが、森博嗣のS&MやVシリーズ、綾辻行人の館シリーズなどの大体10巻以内で完結するシリーズものが好きでよく読んでいます。
巻数の多いシリーズものって、読み応えがありそうですね。
シリーズものの魅力は、数々の事件を通して登場人物たちの人間性に深みが出てきたり、関係がちょっとずつ変化がしていくのが面白いんです。
最初は探偵役の奇人ぶりに戸惑い気味だった助手役が、段々相手のあしらい方に慣れてきていたりとか?
そうそう! たまに助手役の方が活躍する巻とかあるとすごくキュンキュンします!
通な読者が一層わくわくできるのはシリーズの嬉しいところですね。レイラさんが読んだ中で特に面白かった本とかありますか?
珍しいという意味で面白かったのは上遠野浩平の事件シリーズですね。これは何と、魔法が存在するファンタジー世界で繰り広げられるミステリなんです。
まぁ! 魔法があると何でもできてしまうからミステリーって難しいんじゃないでしょうか?
わたくしも最初そう思ってのですが、意外と魔法のある世界でもミステリが成立してて、だからこそ面白かったですね。特に2巻数と3巻の魔法の理論を使ったトリックが好きです。
では、それが今日のオススメでしょうか?
いえ、今日は普段ミステリを読まない方にも大のミステリ好きにもオススメの超短編小説をご紹介したいと思います。
『2分間ミステリ』というドナルド・J.ソボルさんによる本なのです。
この本は全て2分間で読み切れるたった2ページの短編推理小説なんですよ。
まぁ! 2分間なんてあっという間じゃないかしら。 星新一のショートショートみたいな感じですか?
そうですね。そしてこの本の面白いところは、推理クイズ形式になっていて、殺人事件からマダムのちょっとしたイタズラなどの様々な事件の概要とその解決の鍵となるヒントだけを散りばめて、答えを読者に考えさせるところなんです。
答えが分からないと、何だかモヤモヤしてしまいそうですね。
大丈夫です。問題のお話の少し後のページに文字を上下逆さまにした状態で正解が書いてあるので、答え合わせも気軽に出来るんですよ。わたくしの場合、あんまり頻度は高くないですが、自分の推理が当たってるとすごく嬉しいです。
ミステリー好きのレイラさんでも解けないくらい難しいんですか?
ははは、多分そんなことないですよ! わたくしは推理小説では探偵役の推理に感心したりビックリするのが楽しいので、普段ミステリを読む時は真面目に推理してないんです(笑)
あら、まぁ、うふふ。
でも、この本で推理力を高めてこれからはわたくしもズバッとまるっと推理しちゃいますよ! 目指せ、めいたんてい!
わー、頑張ってください!
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:12% レイラ:28% サヤ:21%
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