大人目線でどっぷり楽しむ青春群像――『アオハライド』私設図書館シャッツキステ7冊目

本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。連載7回目は私設図書館シャッツキステでミソノを手伝っており、少女マンガ好きのメイド・サヤが登場。夢見るように語ります。

» 2013年06月14日 12時00分 公開
[ITmedia]
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 この街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。そこには書架を守る司書がいます。

 ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドたちもいるようです……。

 ひそかに好感度を上げて、年に一度行われる本の展覧会にミソノさんとご一緒できるよう、お気に入りの一冊を持って、今日も書架にメイドがやってきました。

大人目線でどっぷり楽しむ青春群像――『アオハライド』

サヤ

ミソノさん、少女マンガはお好きですか?わたしは大好きです!


ミソノ

いいですねー。少女マンガ、わたくしも好きですよ。


サヤ

小さいころからたくさんの少女マンガを読んで「いつかこんな素敵な青春が送りたい! 」とあこがれ、夢見てきました。でも現実はそううまくはいかない。白馬の王子様なんて現れない。それを知り傷つき乾いたわたしの心を癒し、うるおしてくれたのもまた少女マンガでした。そしてわたしは今日も幻の青春を求めて、少女マンガを読むのです……


 前置きが長くなってしまいましたが、今日わたしがお勧めしたいのはこれ! 別冊マーガレットで連載中の『アオハライド』です。行きつけの本屋さんで平積みされていて、表紙の絵が素敵だなぁと手にとってみたのがきっかけでした。もうはじめて読んだ時からピン! ときましたね。これこそわたしが探し求めていた青春だ! と。作家さん、編集者さん、書店員さん……すべての人に感謝したい。このマンガを生んでくれて、出会わせてくれてありがとう、本当にありがとうと。それくらい素敵なマンガなのです。

『アオハライド』1巻(咲坂伊緒/集英社)

 先ほども言いましたが、『アオハライド』はまさに青春といったお話で、タイトルも青春(アオハル)にride(ライド=乗る)するという意味でつけられているそうです。なるほどという感じです。本編に入る前に中学生の主人公の初恋が、番外編のように描かれています。その初恋の人は急に転校してしまって失恋、ということになるのですが、その初恋がその後も背景に流れていて、とてもいい味を出しています。

 1話では高校生になった主人公が初恋の人と再会して、あのころに戻れる……! と思いきや戻れない。お互い変わってしまったからと。人生そううまくはいかないですよね。でもそこからまた新しく始めるというか、青春を築いていくというのがこのお話の一番おいしいところなのです。もちろん恋だけではなく友情も丁寧に描かれていて、登場人物はみんなキャラが濃く、その登場人物たちと気持ちを共有しながら高校生活を送れるんです。楽しいとか切ないとか苦しいとかいろいろな気持ちがあって、うまくいかないこともたくさんあるけど、そういうのも全部含めて青春なんだな、と思わせてくれます。

ミソノ

登場人物たちにどっぷり共感するだけじゃなく、「自分が体験したことのないバージョンの青春を楽しむ」という第三者目線で作品とおつきあいできる……大人の特権ですね!


サヤ

本当にこんな青春が送りたいと思える、大好きな作品です。さぁ、ミソノさんも一緒に青春にライドしませんか?


ミソノ

ライド……したいです!


ミソノの好感度パラメーター

本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?

エリス:12% レイラ:14% サヤ:12%


本日のメイド

サヤ サヤ:三度のご飯より小説が好きな新米メイド。司書見習いとして、本棚整理などミソノの仕事をよく手伝っている。好きなジャンル:近現代文学、少女漫画
ミソノ ミソノ:いつもニコニコ、図書館を影から支える司書メイド。好きなジャンル:絵本、児童書、旅行記、本、紙、図書館


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