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» 2013年06月03日 15時00分 UPDATE

出版業界ニュースフラッシュ 2013年5月第5週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。5月第5週は、日販などの決算発表、「児童ポルノ禁止法」改正法案への反対声明、そして現行出版権の拡大を支持する動きなどが話題になりました。

[新文化通信社]
新文化通信社

日販決算、15年ぶりに増収

 5月31日、第65期(平成24年4月1日〜同25年3月31日)決算を発表した。同社単体の売上高は5813億5500万円(前期比0.6%増)で、15年ぶりの増収を達成。Amazonを中心としたネット書店との取り引きが好調に推移し、書籍売上高は2610億2600万円(同4.8%増)、書籍は3期連続の増収。雑誌売上高は2995億3000万円(同1.8%減)でマイナスとなった。

 利益面では、営業利益が29億5200万円(同13.2%減)、経常利益が33億6300万円(同18.6%減)、当期純利益が31億6800万円(同64.5%増)だった。

 子会社17社を含む連結決算は、売上高7044億4900万円(同0.1%増)、営業利益51億1400万円(同24.2%減)、経常利益57億8400万円(同25.4%減)、当期純利益17億7800万円(同45.1%減)だった。

昭文社、大幅な減収減益決算に

 5月29日、平成25年3月期(平成24年4月1日〜同25年3月31日)の連結決算を発表。売上高146億3800万円(前期比6.1%減)、営業利益2億7200万円(同76.2%減)、経常利益3億3400万円(同69.7%減)、当期純利益3億5700万円(同55.6%減)だった。地図出版物の売上げが大きく落ち込んだほか、新刊やスマートフォン向けアプリの投入に伴う売上原価が増加したことなどにより減収減益となった。

 分類別売上高は「市販出版物合計」が81億5800万円(同9.2%減)、「広告収入」が7億4500万円(同13.3%増)、「電子」が49億2000万円(同1.9%減)、「手数料収入」が4000万円(同1.0%増)、「特別注文品」が7億7200万円(同13.1%減)。

書・雑協、「児童ポルノ禁止法」改正法案に反対声明

 雑協の「人権・言論特別委員会」と書協の「出版の自由と責任に関する委員会」は5月29日、自民党、公明党、維新の会が共同で衆議院に提出した「児童ポルノ禁止法」の改正案に対する反対声明を発表した。改正案は、児童ポルノの単純所持を禁止しているほか、「自己の性的好奇心を満たす目的」での所持に1年以下の懲役または100万円以下の罰則を設けている。

 書・雑協では、「性的被害に遭っている児童の保護を謳いながら、その実態は表現の自由を規制する方向に進んでいると考えられる」として、反対の姿勢を表明。「児童ポルノ」の定義を明確化しないまま、「単純所持禁止条項」を加えることなどに異議を唱えている。

文化庁出版小委、「出版権の拡大」の意見が大勢占める

 5月29日、文化審議会著作権分科会の第2回出版関連小委員会では日本文藝家協会や日本美術著作権連合、日本写真著作権協会、日本新聞協会、日本出版者協議会、日本楽譜出版協会(JAMP)など関連11団体から意見聴取するヒアリングを実施。11団体中、8団体が文化庁が出版者の権利として提示した4案のうち、B案「電子書籍に対応した出版権の整備」(現行出版権の拡大)を支持した。

 補足説明で書協の金原優副理事長も「現行出版権の拡張・再構成」という中山案を基にした検討に賛同すると発言。前田哲男委員(弁護士)や塩見佳男委員(京大大学院教授)らも「B案に絞って議論を」とした。

 出版権の拡大に意見が傾斜。出版界がこれまで要望していた「著作隣接権の創設」は反対意見が多く、唯一JAMPが楽譜の特殊事情を訴え、著作隣接権を主張。文藝家協会は「契約ベースで支障なく、法制化は不要」と現状維持を訴えている。

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