司馬遼太郎『竜馬がゆく』、連載開始から半世紀を経て電子化

司馬遼太郎の『竜馬がゆく』が6月21日から順序電子書籍で配信される。

» 2013年06月03日 14時51分 公開
[西尾泰三,ITmedia]
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 坂本竜馬の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげた、司馬遼太郎永遠のベストセラー『竜馬がゆく』。1962年6月21日に、産経新聞夕刊で連載が開始されたこの日本文学の金字塔が、連載開始から半世紀を経た6月21日から電子書籍化される。司馬作品の本格電子化は今回が初めて。

 全8巻で販売され、6月21日に3冊(1〜3巻)、7月12日に3冊(4〜6巻)、8月7日に2冊(7〜8巻/完結)が配信される。最終巻が配信される8月7日は、司馬遼太郎生誕90年に当たる日だ。主要な電子書店で販売され、Kindleストア、iBookstore、koboイーブックストアなど予約注文が可能な電子書店では6月3日以降予約が可能になる。

 文藝春秋によると、昨年来、電子書籍の売り上げは増加傾向にあり、同社の電子書籍の売り上げも3倍になったという。司馬遼太郎は、村上春樹、東野圭吾と並び電子化希望リストのベスト3の作家であるとし、今回の電子化を機械に電子書籍業界の電子化がさらに進むことを期待するとしている。

わたくしは、日本史の人物のなかで、坂本竜馬ほど、男としての魅力にとんだ存在はないとおもうのだが、どうだろう。この底ぬけに明るい、しかも、行くとして可ならざることのなかった、カンのいいひとりの天才をかきたい。(中略)。その魅力が、なにであるかを、わたくしはこの小説をかきながら、読者とともに考えてゆきたい。きっと楽しい読み物になるだろうという自信はある(司馬遼太郎/「産経新聞」昭和37年6月16日夕刊一面に掲載された『竜馬がゆく』連載予告より抜粋)

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