本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。連載2回目は私設図書館シャッツキステのツンデレメイドが登場。ちょっと高飛車に近づいた彼女を待ち受けていたのは……。
この街の片隅に、メイドが営む私設図書館がありました。そこには書架を守る司書がいます。
ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドたちもいるようです……。
密かに好感度を上げて、年に一度行われる本の展覧会にミソノさんとご一緒できるよう、お気に入りの一冊を持って、今日も書架にメイドがやってきました。
ミソノさん、ちょっといいかしら。
あらあら、レイラさん。どうぞ。あら、その本は……。
今日は『本の歴史』を持って来てみたの。
ミソノさん、本というものがいつできて、どのように発展していったのかご存知ですか? その答えがこの本に詳しく、分かりやすく書いてあるのです。試しに、この本をパラパラとめくって中を見てください。
どうです? この豊富な図説資料! 本好きならうっとりしてしまうこと間違いなしの、中世手描き本の凝った書体や装飾文字のカラー写真。それに当時の写本家の作業風景を描いた絵画などがたくさん紹介されていて、それを見ているだけでも面白いんです。
この本では、古代のパピルス紙でできた、巻物の本の時代から歴史が紹介されています。でも、やはり面白いのはここ――15世紀に活躍した活版印刷の父・グーテンベルクとその彼の下で働いた6人の職人さんが、世界の各地に散らばって印刷技術を普及したいきさつです。
本はたくさん売れたけど、思ったより収益がなくて出資者に怒られたり、負債で投獄される人もいたりと、苦労しつつも情熱を持って生きた人たちのその熱い人生に、本を読む手を止めて、つい思いを馳せてしまいます。
そのほかにも、羊皮紙の作り方や羊1頭でそれが何枚くらい作れたのかとか興味あったのですが、これを読んで長年の疑問を解決することができました!
それから世界で1番最初に作られた図書館はどこだったのか、どんな目的で誰が作ったのか。何冊くらい所蔵されてたんだろう? どうやってコレクションを増やしたんだろう? 読み進めていくと、知りたかったことの答えがどんどん見つかります。
このように、本がこの世に生まれてからこれまでのことを楽しく知ることができる『本の歴史』、私設図書館である当館にぜひ入架して、本好きな皆さまにもっと本のことを好きになってもらいたいと思うのですが、どうでしょうか?
お気持ち、分かりますわ!
レイラさんが本の歴史に興味おありでしたら、わたしもお勧めしたい本がありますよー。ほら、こちらの書架に、それからあちらの書架にも、そうそう向こうにも……。
あっ! ちょっと、もう、ミソノさん……ミソノさーん!
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:5% レイラ:7% サヤ:0%
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