出版業界ニュースフラッシュ 2013年3月第5週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。3月末の出版業界では角川GHDの社名変更と9子会社の吸収合併や、講談社の女性誌2誌休刊のニュースなどが話題になりました。

» 2013年04月01日 17時05分 公開
[新文化通信社]
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角川GHD、9子会社を吸収し社名を「KADOKAWA」に

角川グループホールディングスは3月28日に取締役会を行い、6月22日付で社名を「株式会社KADOKAWA」に変更し、10月1日付で連結子会社9社を吸収合併すると発表した。6月22日開催の定時株主総会で正式に決める。外部環境への対応のほか、収益力・キャッシュフローの向上、新事業の展開を加速させるため、組織を再編するという。

吸収するのは角川書店、アスキー・メディアワークス、角川マガジンズ、メディアファクトリー、エンターブレイン、中経出版、富士見書房、角川学芸出版、角川プロダクションの9社。合併後は、事業会社「KADOKAWA」として出版・映像・版権・デジタル事業を行っていく。子会社各社は、KADOKAWAのブランドカンパニーという位置づけで統合される。

村上春樹氏の新刊、アマゾンで予約1万冊突破

アマゾンジャパンは、3月15日から予約受付を開始した村上春樹氏の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)の予約が1万冊に達したと発表した。わずか11日間で1万冊に到達したことになり、『1Q84 BOOK3』(新潮社)の12日間で1万冊のペースを上回っている。同書は4月12日に発売される。

講談社、女性誌2誌を休刊へ

 7月6日発売の8月号を最後に、女性ファッション誌「Grazia」(定価780円)と「GLAMOROUS」(同690円)の2誌を休刊する。

 1996年、発行部数25万部で創刊された「Grazia」だが、最新5月号の部数は4万8000部。一方、「GLAMOROUS」は、「大人のカジュアルファッション誌」として2005年に20万部で創刊。最大25万部を発行したこともあったが、最新5月号は8万部まで落ち込んでいた。

 同社では、4月1日付で第2編集局に新雑誌研究部を設置し、雑誌の新たなビジネスモデルを模索していくという。

出版物貸与権管理センター、児童書レンタルの実験へ

 4月から9月末にわたり、TSUTAYA20店舗で児童書のレンタル事業を実験する。出版社11社が計112点を出品し、販売のシナジー効果を検証する。レンタル料は各店で異なるが、2泊3日で100円前後になる見通し。流通はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が日本出版販売(日販)と2006年に共同で設立したMPDが担う。実験後は評価委員会で検証結果をまとめ、公表していく。

 現在、コミックレンタルの実施店は1939店。児童書の実験は小学館の109点で2011年に行っており、今回で2回目。

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