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» 2013年02月27日 14時00分 UPDATE

日本の電子書籍の挑戦

海外からみて日本の電子書籍市場はこのように映っているようだ。

[Paul Biba,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 『なぜ日本人読者は電子書籍を好まないのか』というFortune.comの記事はやや馬鹿げている。日本における電子書籍の採用状況はかなり低いということを正しく記述しているが、その後、読者が電子書籍を利用しないことと日本の出版社がほとんど電子書籍を制作していないことをどうやら同等視している。存在しないものをどうして読めるだろうか。

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 日本の出版業界は電子書籍の制作を長くちゅうちょしてきた。日本のEBook 2.0 Magazineの編集兼発行人、鎌田博樹氏は『これまで日本人は、主にコンテンツの少なさが原因で日本あるいは外国の電子書籍リーダーに心動かされることがありませんでした』と記事の中で述べている。記事で言及されているBowkerの最近の調査によると、多くの日本人読者は電子書籍に関心がないといっているようだが、日本人読者は、書籍をスキャンし、そのファイルを読むことで電子読書の新形態を切り開いてきたのでこれにはほとんど妥当性がない。これは日本で非常に人気があるサービスで、Publishing Perspectivesがレポートしている通り、スキャンサービスを提供する1企業であるBOOKSCANは米国での業務を開始している。

 実際、BOOKSCANが日本で瞬く間に成功したのは夢が現実化したようなもので、その要因の一部は影響力のあるITブロガーが自分のWebサイトでそのサービスを絶賛したことで、BOOKSCANの中野氏によると『大きなインパクト』があったという。ほどなくしてBOOKSCANのサービスは4カ月待ちの人気となり、(成功の最大の尺度ではないかと思うが)雨後のキノコのようにほぼ一夜にして100社もの競合企業が出現した。しかし、影響力のある裏づけにより口コミは生まれるが、ビジネスを長期に渡って支えることにはならない。

 また、最近EPUB 3が採用されるまで、縦書きで右から左へ行を進めるテキストを再現する世界標準のファイルフォーマットは存在しなかった。従って、テキストレンダリングをそれぞれのシステムで行う必要があり、電子書籍リーダーの製造は非常に難しくなった。それにより出版社は日本語の電子書籍制作を極端に嫌がるようになった。ある標準を推進しようとする日本の出版社コンソーシアムが存在するが、同コンソーシアムが必要とする魅力的とはいえない金銭面での条件と、オープンではない電子書籍になってしまうことで、その標準を採用するインセンティブにはほとんどならない。だが、ようやく登場したEPUB 3は一味違うかもしれない。

 ほかにも問題の原因となる要素がある。Publishing Perspectivesはこの分野でのソニーの失敗についてレポートしている。「ソニーは『市場リーダーの地位を無駄にした』賞を獲得している。過去何年かの間、ソニーは専用端末に関心を持つ日本の消費者が求めるメーカーで、同社のReader Storeは画期的ではないにせよ、完全に機能している。しかし、ソニーは自社サービスのマーケティングをほとんど行わず、一般的モバイルデバイス向けリーダーアプリを長らく立ち上げず、潜在的購入者に『ニッチ』であることをはっきりと告げるレベルにデバイス価格を維持しつづけた(Wi-Fiエントリーモデルが250ドル? どうにかしてほしい)。ソニーはPottermoreの技術提供者として自らを慰めることはできるが、アプローチを極端に変化させなければ、Pottermore後の2年以内に日本の電子書籍市場で時代遅れになるだろう」。

 今やEPUB 3が存在し、AmazonとKoboが日本市場に参入し、市場は軌道に乗り始めるかもしれない。これから1年後、何らかの価値のあるマーケット情報を手にしているかもしれない。

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