出版業界ニュースフラッシュ 2012年12月第4週

出版業界で起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。先週リアル書店で電子書籍を販売するトーハンの「c-shelf」などが話題になりました。そのほかのニュースダイジェストと合わせてどうぞ。

» 2012年12月25日 14時54分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

トーハン、ブックファーストを子会社化

 12月21日、トーハンは、親会社である阪急電鉄が持つブックファーストの株式100%を取得することで合意し、契約書を締結。

 ブックファーストは1996年、阪急グループの書店部門として1号店の川西店を開店。現在は42店舗をチェーン展開、売上高は約200億円(2011年度決算時)。2012年4月には阪急リテールズから独立し、株式会社ブックファーストとして再スタートしていた。帳合取次会社はトーハンほか、日販、大阪屋などだが、今後トーハンに帳合変更される見通し。

トーハン「c-shelf」、22日に1500書店でスタート

 電子書籍をリアル書店で販売する事業「c-shelf」が12月22日、3万点のコンテンツを用意して、約1500書店で販売を開始。来年3月末までに7万点、参加書店3000店を目指す。

 加盟書店のマージンは販売価格の15〜20%。読者は店頭かc-shelfのユーザーサイトから選書し、レジで決済。引換券に記載されたQRコードから「スマートブックス」にアクセスしてダウンロードする。店頭促進から会員となった読者がスマートブックストアで直接購入しても書店に5%のロイヤルティーが支払われる。

紀伊國屋書店、「キノベス!2013」を発表

 12月18日、「キノベス!2013」を発表。1位は西加奈子『ふくわらい』(朝日新聞出版)、2位中脇初枝『きみはいい子』(ポプラ社)、3位横山秀夫『64』(文藝春秋)、4位原田マハ『楽園のカンヴァス』(新潮社)、5位松家仁之『火山のふもとで』(新潮社)となった。

 「キノベス!」は紀伊國屋書店スタッフがオススメする書籍のベスト30を選出するもので、過去1年間に出版された新刊(文庫化タイトルは除く)が対象。今回は全社から516件の応募があった。

 2013年1月21日から、紀伊國屋書店全店舗で「キノベス!2013フェア」を一斉スタート。スタッフの推薦コメントや、『ふくわらい』の著者・西加奈子さんの特別寄稿エッセイなどを掲載した小冊子も店頭で配布する。

Copyright 2015 新文化通信社 All Rights Reserved.