出版業界ニュースフラッシュ 2012年8月第2週

出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。先週は、丸善書店の上位3店舗、トーハンから日販に帳合変更したことが業界をざわつかせました。そのほかのニュースダイジェストと合わせてどうぞ。

» 2012年08月13日 13時50分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

丸善書店の上位3店舗、トーハンから日販に帳合変更

 9月1日、丸善書店の丸の内本店、日本橋店、ラゾーナ川崎店と、お茶の水店のコミック売場について、トーハンから日販に帳合を切り替える。この3店舗は丸善書店の売り上げ上位3店で、年商約100億円。9月27日に移転リニューアルする名古屋栄店もすべて日販になる。

 また、ジュンク堂書店が運営するビッグウィルの8店舗、年商約20億円分もトーハンから大阪屋に変更される。

 岡充孝副社長は「トーハンの新体制には反対してきた。信頼関係が損なわれたため、しばらくは距離をおきたい」と話している。年商40億円分といわれる文教堂グループの18店の帳合変更も含め、大日本印刷関連会社の動きが急だ。

JPO・出版5団体など、「緊デジ」条件緩和に関する説明会

電子化への参加を呼びかける横井真木雄氏

 日本出版インフラセンター(JPO)と人文・社会科学系の出版5団体、デジタルパブリッシングサービスは8月6日、東京・神楽坂の日本出版会館で、先ごろ発表した経済産業省「コンテンツ緊急電子化事業」の申請条件緩和に関する説明会を行った。変更点は、申請上限の撤廃、EPUB 3の採用、PDFフォーマットへの対応など6項目。

 歴史書懇話会の代表幹事・横井真木雄氏(吉川弘文館)は、事前に提出した要望書について「専門書出版社の参加をいかにしやすくするか」が目的だったとし、「少しでもデジタル化が進めば」と語った。また、JPOの永井祥一専務理事は、緊デジが「出版者への権利付与」とも密接に関わる重要な案件であることを伝えた。

紀伊國屋書店、来春シンガポールに4店目

 シンガポール西部のジュロン新都市地区に開業する大型ショッピングモール「ジェム」へ、同国4店目、海外25店目となる「シンガポール紀伊國屋書店ジュロン店」を200坪で出店する。中上流層に向けたライフスタイル提案型書店と位置づけ、英文書、和書、中文書を扱う。

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