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» 2011年07月15日 12時00分 UPDATE

韓国、電子教科書の幅広い利用を主導

韓国政府は2015年までに国内のすべての学年と教科で学校の教科書を電子化する計画を発表した。約20億ドルという予算を投じて、何を狙うのか。

[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 韓国はインターネット接続に関してほぼ間違いなく先進的な国の1つで、ほかの国々の7倍の帯域を持つブロードバンドのスピードを享受している。

 最近の声明で、政府は2015年までに国内のすべての学年と教科で学校の教科書を電子化する計画を発表しているが、それはこうしたブロードバンドのスピードがあってはじめて可能となる。電子教科書はタブレットPCの使用により2008年ころから数百校の小学生に利用されており、今回の声明は長く待ち望まれていたものだといえる。同時期にほかの多くの国々では、電子書籍を読むことすら一般的ではないのだが。

 韓国の電子出版は同国の出版市場のわずか20%を占めるに過ぎないが、こうした取り組みは、教育関連あるいは参考書籍などに限定せず、すべての電子書籍の消費者市場を増加させるかもしれない。電子出版社は電子教科書が紙の教科書に取って変わってからの市場の変化を注意深く見守ろうとしている。

 ほかの国々も韓国の取り組みに興味を持っているが、韓国がこの計画のために計上した約20億ドルという予算に関して、競い合えるかどうか分からないでいる国もある。例えばインドでは、社会経済的に下層の地域にある学校に電子教科書と教育技術をもたらすために、1台当たり35ドルという低価格のSakshaatタブレットをリリースしたが、これら辺境地域におけるインターネットの接続状況が安定せず、学校側も教師を雇う余裕がほとんどないこともあって、韓国が始めた同様の取り組みほどの明確な成果はないかもしれない。

 韓国政府はこの動きを、社会のほかの側面に電子技術を取り入れていくプロセスの一翼を担うと見ており、すでに教育分野で高い割合で利用されている技術が電子教科書の成功に貢献すると考えている。韓国国民の多くはタブレットPCのようなテクノロジーを経験しているし、タブレットPCを購入する余裕のない家庭の学生に助成金を払うためのコストも見積もっている。多くの国々では教育を広く受けさせるための仕組みが構築できていないことを考えると、韓国の動きは積極的だ。

 興味深いことに、このプログラムで学校側がどのデバイスを利用するのかまだ国は定めておらず、この声明の初期の報告によると、学校側に教科書を選択する権利が委ねられていることが分かる。教科書の電子化とそれに対応するインターネットベースの教室がこのプログラムの下で開発される予定で、経済的あるいは地理的に教育を受けられるかどうかにかかわらず、すべての学生を教育することに対する韓国の切迫感を示している。

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