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» 2011年03月15日 00時00分 UPDATE

電子絵本で子どものメンタルケアを

東北地方太平洋沖地震では被災者、特に幼い子どもたちの精神的な疲弊も懸念される。ここでは、無料で入手可能な電子絵本を取り上げる。

[西尾泰三,ITmedia]

 東日本各地に大きな被害をもたらした「東北地方太平洋沖地震」。東北・関東甲信越地域では広域で各種サービスが中断しており、携帯キャリアなどもネットワークの回復作業に尽力している。

 こうした状況が長く続くことによる被災者、特に幼い子どもの精神的な疲弊も懸念されるが、そのケアが本格化するのはまだしばらく時間を要するだろう。そこで本稿では、そうしたメンタルケアに役立つのではないかと思われる電子絵本に注目、できるだけ手軽に入手できるものをまとめた。

PCが使えるならこちらの2サイト

 紙の絵本のポータルサイトとしての性格が強い「絵本ナビ」は、FLASHベースのビューワを用いており、閲覧環境は限定されるが、前ページ試し読みが可能な作品を数多くそろえているのが特徴(要会員登録)。同一作品で試し読みができるのは1回だけだが、250タイトル近い有料コンテンツが無料で閲覧できるのは有用といえる。

 一方、「PictBox」は、オリジナルの絵本が多く投稿されているサイト。こちらもビューワはFLASHベースのものを用いている。

tnfigeb1.jpgtnfigeb3.jpg 前ページ試し読みができる作品を多くそろえる「絵本ナビ」(写真=左)と、オリジナルの絵本を多くそろえる「PictBox」(写真=右)

 上記2サイトはPCでの閲覧を想定しているため、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでインターネットに接続しているユーザーのニーズを満たせない部分もある。Flashに対応していないiPhone/iPadなどでは絵本の閲覧は行えないが、Android搭載スマートフォンやタブレットであれば問題なく閲覧できるはずだ。

 ちなみに、PictBoxを運営するアイフリークは、iPhone/iPad向けアプリ「こえほん」をリリースしている。同アプリは、声を録音して紙芝居風のオリジナル絵本を作ることができるというもので、価格は無料となっている。

こえほんの紹介ビデオ(出典:アイフリーク)

PDFやEPUB形式の電子絵本ならパブーかiPadzineで

 無料で入手でき、PDFやEPUBなど汎用的なファイルフォーマットで、DRMなどが掛かっていない電子絵本は幾つかのサイトで提供されている。例えば、paperboy&co.が運営する電子書籍作成販売プラットフォーム「パブー」やiPadzineなどだ。

tnfigeb2.jpgtnfigeb4.jpg パブー(写真=左)とiPadzine(写真=右)

 iPadzineはカテゴリ別に分けられているだけだが、パブーではカテゴリ別のほか、各カテゴリでのランキング(総合、週間、販売順、新着順)や有料/無料で絞り込んでいけるのでサイトの使い勝手はよい。また、パブーは昨年開催した「第1回 絵本コンテスト」の応募作品なども一覧できるようにしており、ニーズに即した電子絵本を入手できるだろう。

 パブーもiPadzineも、無料の電子絵本をダウンロードするために特別な登録は必要ない。各作品ごとにPDFあるいはEPUBファイルが用意されているので、これをダウンロードし、任意のアプリケーションで開けば読むことができる。iPhoneやiPadならiBooksで開いてもよいし、定番のビューワアプリ――i文庫HDやGoodReader、あるいは無料の「CloudReader」など――に渡してもよい。

オーディオブックという選択肢も

 このほか、目だけでなく耳でも楽しめるオーディオブックという選択肢も検討してよいだろう。

 オーディオブックとは、ナレーターによる音声化という付加価値を付けた「耳で聞く本」だ。この分野でよく知られたiPhoneアプリとしては例えば「朗読少女」が挙げられる。なお、朗読少女の開発も手掛けるオトバンクはオーディオブックのポータルサイト「FeBe」も運営しており、有料ではあるが多くの作品がオーディオブック化されている。

 音楽家の守時タツミ氏が手掛けている「おとえほん」は、オーディオブックとしてiTunes Storeなどで配信されているが、同氏のサイトでは現在、これらを無料の音楽ファイル(MP3)として提供している。物語の朗読は南果歩さんや鶴田真由さんが行っている。


 iPadなどのタブレット、あるいはスマートフォン上に広がる電子絵本が被災者の心を癒す一助となってほしいと思う。eBook USERではこうした電子絵本や災害時に手元に置いておきたい電子書籍について引き続き情報を収集して公開していくので、参考にしていただければ幸いである。

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