板状のeBook端末「Reader」をなめるように触ってみた厚さ10ミリ前後の極薄ボディ(1/3 ページ)

ソニーの「Reader」は、2モデルとも厚さ10ミリ前後のスリムボディが特徴のeBookリーダーだ。別売のブックカバーを含め、細かくチェックした。

» 2010年11月25日 15時00分 公開
[田中宏昌(撮影:矢野渉),ITmedia]

日本語表示にきちんと対応したeBookリーダーとeBookストアが登場

6型の「Pocket Edition」

 ついにというか、ようやくというか……。11月25日にソニーが「Reader」を発表したことにより、日本でも電子ペーパーのE Inkを採用したeBookリーダーと、日本語のeBookコンテンツを扱ったストアがセットで再び展開されることになった。

 これまでは、同じE Inkを採用したAmazon.comのKindleが日本でも入手可能だが、肝心の日本語コンテンツはほとんど存在せず、一方の液晶ディスプレイを搭載したiPadもアプリ形式では日本語コンテンツが提供されているものの、iBookstoreではKindleと同様に日本語のタイトルは非常に少なかった。それに対し、ソニーのReaderでは「Reader Store」において日本語で読めるeBookコンテンツが販売され、開設当初は2万タイトル以上が用意されるという。

 今回は12月10日の販売を前に、試作機に触れる機会を得たので、まずはハードウェアについて細かくチェックしていこう。なお、試作機ゆえ製品版とは一部で異なる可能性がある。また、Reader製品の詳細や関連記事については、下記を参照してほしい。


2つの画面サイズを用意

 ソニーのReaderは、こちらの記事で述べたとおり、日本では5型の「Pocket Edition」と6型の「Touch Edition」が発売される。スペックの詳細は下記の表にまとめたが、どちらのモデルも実際に手にすると、スリムなボディと軽量さが際立つ。特に5型のPocket Editionは一般的なワイシャツやスーツの胸ポケット、ジーンズのポケットにすっぽりと収まるサイズで、まさに文庫本的に扱える。ボディの厚さは約9.2ミリと薄く、アルミ素材の金属的質感は目を引く。さらに背面部分はラバー風の塗装が施され、手になじみやすいのも好印象だ。

 6型のTouch Editionは、Pocket Editionを二回りほど大きくしたもので、さすがにポケットに入れることはできないが、厚さは約10.3ミリと十分にスリムに仕上がっている。6型モデルでは、SDHC対応SDメモリーカードとメモリースティックPRO デュオスロットをそれぞれ用意するほか、ヘッドフォン端子と音量調節ボタンを装備することで、音楽ファイルを再生しながら読書を楽しめるのがアドバンテージだ(スピーカは内蔵していない)。ちなみに、音楽ファイルはMP3(32〜320kbps/22.05kHz、44.1kHz)とAAC(.mp4/.m4a/.mov/.qt、40〜320kbps/24kHz、44.1kHz、48kHz)をサポートしている。

 そのほか、カラーバリエーションは5型がブルー、ピンク、シルバー、6型がブラック、レッド、シルバーと手堅い色から派手な色まで用意されており、好みや利用シーンに応じて選べるのもうれしいところだ。

6型のTouch Edition(写真=左)と、5型のPocket Edition(写真=右)。シルバーのみ共通カラーで用意されている

Sony Readerの主なスペック
モデル 5型「Pocket Edition」 6型「Touch Edition」
型番 PRS-350 PRS-650
カラーバリエーション ブルー、ピンク、シルバー ブラック、レッド、シルバー
ディスプレイ 5型電子ペーパー 6型電子ペーパー
解像度 600×800ドット
階調 16階調グレースケール
タッチ操作 ○(光学式)
内蔵メモリ 約2Gバイト
使用可能領域 約1.4Gバイト
インタフェース microUSB microUSB、ヘッドフォン、音量調節
メモリカードスロット メモリースティックPRO デュオ、SDメモリーカード(SDHC対応)
内蔵辞書 ジーニアス英和辞書(第四版)、New Oxford American Dictionary
バッテリー リチウムイオンバッテリー
駆動時間 約2週間、連続ページ送り約1万ページ
充電時間 PC接続時:約3時間、別売ACアダプタ接続時:約2時間
本体サイズ 104.6(幅)×145.4(奥行き)×9.2(厚さ)ミリ 119.1(幅)×169.6(奥行き)×10.3(厚さ)ミリ
本体重量 約155グラム 約215グラム
予想実売価格 2万円前後 2万5000円前後
Touch Editionのパッケージ(写真=左)とPocket Editionのパッケージ(写真=右)

Touch Editionの付属品(写真=左)とPocket Editionの付属品(写真=右)。Touch Editionではヘッドフォンを別途用意しないと音楽ファイルの再生が楽しめない

6型ディスプレイを搭載したTouch Editionのレッドモデル(写真=左)。画面解像度は600×800ドットだ。裏面にはラバー風の塗装が施されている(写真=右)

天面部分に電源スイッチのほか、SDHC対応SDメモリーカードとメモリースティックPRO デュオスロットを装備する。メモリカードを装着してもカードは飛び出さない。底面にリセットスイッチやmicroUSB端子、ヘッドフォンや音量調節ボタン(+側に突起があるので目視しなくても操作可能)が配置されている。タッチペンは右上に内蔵される

5型ディスプレイを採用したPocket Editionのピンクモデル(写真=左)。ボタンの配置や構成、画面解像度などはTouch Editionと共通だ。裏面にソニーロゴがあり、ラバー風の塗装がなされているのも変わりない

Pocket Editionではメモリカードスロットやヘッドフォン、音量調整ボタンが省かれたシンプルな構造になっている。ストラップホールは両モデルとも用意されていない

Touch Editionの底面アップ。ヘッドフォン端子と音量調節ボタンが用意されている
こちらはPocket Editionの底面。リセットスイッチとmicroUSB端子が並ぶ
タッチペンの形状は両モデルで若干異なっている。手前が5型、奥が6型のタッチペンで、直径は約3ミリ、重量はいずれも約2グラムだ

 ここまでは主に外観を見てきたが、次のページではiPadやiPhone、Kindleなどとの比較やeBookコンテンツの読みやすさなどを見ていこう。

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