出版業界ニュースフラッシュ 2015年8月第2週

芥川賞効果で月刊『文藝春秋』9月特別号が歴代2位となる105万超の累計発行部数になったことなどが話題に。

» 2015年08月17日 12時00分 公開
[新文化通信社]
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月刊「文藝春秋」9月特別号、105万部超に

 文藝春秋は8月10日、月刊『文藝春秋』9月特別号について13万部増刷することを決めた。これにより累計発行部数は特装版(5万3000部)を含めて105万3000部となる。芥川賞を受賞した又吉直樹『火花』、羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』の全文と選評を掲載した同号。同7日に発売、週末の同8日〜9日には完売する書店が続出した。

 月刊「文藝春秋」の過去最高部数は、綿矢りさ『蹴りたい背中』、金原ひとみ『蛇にピアス』を収載した2004年3月号の118万5000部。今回の9月特別号は、「昭和天皇独白録」を掲載した1990年12月号の105万部を抜いて歴代2位となる。

未来屋書店、通販サイトが35%増

 未来屋書店は、イオンの通販ポータルサイト「AEON SQUARE」内に開設した通販サイト「おうちでイオンBOOK」を7月1日より本稼働。これにより7月の受注金額が前年同月比35%増と大きく伸長した。

 未来屋書店はこれまで日販のHonyaClub.Comと連携して本の通販事業を手掛けていたが、1100万人の会員を持つAEON SQUAREに本の購入窓口を開設し、未来屋書店全249店舗での受け取りを可能にした。先ごろ経営統合したアシーネの店舗も含めて、順次受取店舗を拡大していく。

ベストセラーズの「六星占術」シリーズ、初版160万部

 8月20日、ワニ文庫「平成28年度 細木数子の六星占術 あなたの運命」シリーズ計7点を初版160万部で発売する。昨年の初版部数は165万部で、返品率は約20%。今年は初版を5万部減らすが、返品率10%台を目指す。

 同シリーズは1986年から刊行を始め、今年で30周年。これまでの累計発行部数は、今回の初版部数を含めて9800万部を超えた。

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