第19回手塚治虫文化賞、ほしよりこ『逢沢りく』が大賞に

「新生賞」には大今良時、「短編賞」には吉田戦車、「特別賞」にはみつはしちかこが選出されている。

» 2015年03月31日 15時46分 公開
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 3月31日、第19回「手塚治虫文化賞」の受賞作が発表された。年間を通じて最も優れた作品に贈られるマンガ大賞には、ほしよりこさんの『逢沢りく』が輝いた。

 「逢沢りく」は、お洒落な父と完璧主義の母、友人からは「オーラがある」と友達から憧れられる14歳の中学生・逢沢(あいさわ)りくを主人公とした物語で、『別冊文藝春秋』連載時から話題を集めていた作品だ。

PhotoPhoto マンガ大賞は、ほしよりこさんの『逢沢りく』

 このほか、斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈る「新生賞」に大今良時さん、短編、4コマ・1コマなどの作品・作者に贈る「短編賞」に吉田戦車さん、マンガ文化の発展に寄与した個人・団体に贈る「特別賞」にみつはしちかこさんが選ばれている。それぞれ正賞としてアトム像と賞状、副賞として賞金が贈呈される。贈呈式は5月22日、朝日新聞東京本社で開催される予定。

 また、受賞に際して、ほしよりこさんがコメントを発表している。

 数ある素晴らしい候補作品の中で、賞をいただけたことを、ありがたく、とても畏れ多く思います。
 『逢沢りく』は、私の最善を尽くした作品です。自分は他の人とちょっとちがうやり方で描き続けてきました。その方法について、迷ったことは一度もありませんでしたが、それが世の中に受け入れられるかどうかということについては常に不安がありました。
 今は自信を持って、この物語に向って全力を出し切ったといえるし、終了したこの作品を清々しい気持ちで眺めることができます。
 本という形にするために、ご尽力くださった文藝春秋のみなさまと、期待より何倍も素晴らしい装丁デザインをしてくださったアリヤマデザインストアの有山さんと岩渕さんにお礼申し上げます。
 今まで支えて下さった、家族や友人、今もお世話になっている編集者さん、読者の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。

 同賞は日本のマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫さんの業績を記念し、マンガ文化の健全な発展への寄与を目的として朝日新聞社が1997年に創設したマンガ賞。過去の受賞者には、羽海野チカさん(第18回マンガ大賞『3月のライオン』)、小山宙哉さん(第18回読者賞『宇宙兄弟』)、原泰久さん(第17回マンガ大賞『キングダム』)らが名を連ねている。

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