出版業界ニュースフラッシュ 2015年3月第1週

『美術手帖』を刊行する美術出版社が民事再生法の適用を申請したことなどが話題に。

» 2015年03月09日 15時00分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

美術出版社、民事再生を申請

 月刊『美術手帖』や芸術関連の書籍を刊行していた美術出版社は3月4日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は三山裕三弁護士。

 帝国テータバンクによると、負債は2014年3月末時点で約19億6300万円。その後に変動している可能性もあるという。同社は1905年に創業。美術・デザイン・建築など芸術分野の雑誌・書籍を刊行してきた。年30〜40点の新刊を発行し、14年3月期には売上高12億0800万円を計上。しかし、従前から多額の負債を抱え、厳しい資金繰りが続いていたという。

シーラボ、3月18日に「K-ロマンス文庫」創刊

 3月18日、韓国の恋愛小説を翻訳した「K―ロマンス文庫」を4点揃えて創刊する。同社は昨年9月、韓国の出版社・プルメディア社と日本における独占契約を締結。創刊後、毎月2点のペースで翻訳本を刊行していく。創刊する4点の本体価格は各730円。初版は各1万2000部。発売元は三交社。

 韓国音楽・ドラマ・映画などを楽しむファンは約800万人にのぼるとみており、出版においてもこの市場を掘り起こす。K-POPにちなんで「K―ロマンス文庫」と名づけた。創刊ラインアップは『アンティークロマンス』『女神さまが見ている』『戦慄のパルス』『すべてを賭けて』。『アンティーク〜』は韓国でテレビドラマ化の話が進行中。

飛鳥新社、復刊ドットコムに2誌を営業譲渡

 飛鳥新社はこのほど、復刊ドットコムに雑誌『季刊エス』と『SS(スモールエス)』の2誌について、営業権を譲渡した。復刊ドットコムは、「季刊エス」を6月15日から、「SS」を4月20日から発行していく。発売元は徳間書店。バックナンバーについては、書店からの返品も考慮して飛鳥新社に営業権を残した。復刊ドットコムが定期刊行物の発行元になるのは初めて。

 『季刊エス』は3・6・9・12月の15日に発売する漫画・アニメ誌。『SS』は1・4・7・10月に発行するイラストメイキング&投稿マガジン。

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