実書店での電子書籍販売、実証事業を踏まえ事業化へ

6月以降、参加企業の拡大を図りながら本格運用に移る予定。

» 2015年02月27日 16時00分 公開
[西尾泰三eBook USER]

 日本出版インフラセンター(JPO)は2月27日、2014年6月から展開してきたリアル書店での電子書籍販売を実証事業の終了と、その結果を踏まえた事業化へのステップを明らかにした。

 同事業は、リアル書店の活性化を目的とする取り組みの1つとして進められてきたもので、複数企業によるコンソーシアムでリアル書店での電子書籍販売が行われていた(関連記事参照)。

有隣堂 AKIBA店での販売の様子

 「BooCa」と呼ばれるこのサービスでは、書店店頭に作品名が記されたカードを約3000タイトル陳列、カードに記されたコードを入力することで、対応する電子書店(実証事業では楽天Kobo電子書籍ストア、BookLive!が対応)でコンテンツをダウンロードできる。書店員によるサポートや、店頭での現金決済や図書カードなどクレジットカード以外の支払いを可能にするなどしていた。

 実証事業の総括としては、「リアル書店では、コミックより書籍の売り上げが多い」「購入者の年代は高年齢層が多い」「BooCaで電子書店の新規会員になった顧客はリピート率が高い」などの結果が得られた一方で、サービスの認知度、ラインアップや価格、そして商品コードなど新たなコード体系の必要性などが課題として上がった(詳細な調査報告書は3月上旬にJPOから発表予定)。

 事業化のステップとしては、現状の仕組み(カード陳列方式)を継承した形で試験運用を5月まで行い、6月以降は参加企業の拡大やカード陳列方式以外の提供形態を図りながら本格運用に移る予定。なお、事業化に当たって、運営は楽天が行うことになった。

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