Windows向けアプリとしてようやくリリースされた「Kindle for PC」。これを待っていた方も少なくないはず。ところで、各電子書店のWindows向けアプリの提供状況は?
アマゾンジャパンが1月21日にリリースした、Windows向け無料アプリ「Kindle for PC」。海外だと2009年10月にリリースされているものだが、ようやく日本でもリリースされたことに喜んでいる方も多いことだろう。
日本国内では、2012年10月にKindleストアがオープンした際にiOS/Androidアプリを同時リリース、ブラウザビューワ「Kindle Cloud Reader」がリリースされたのは約2年後の2014年9月だった。
時代の変遷とともに、エンドユーザーが最も触れる時間が長いデバイスは変化してきた。今日、各ストア事業者はOSごと、とりわけiOSやAndroidを搭載したモバイルデバイス向けアプリを優先的にリリースする一方で、「ブラウザビューワ」と呼ばれる閲覧環境の提供も進みつつある。
ブラウザビューワは文字通り、ChromeやSafari、IEなどのWebブラウザ上で電子書籍を読めるようにしたもの。ブラウザビューワを採用する電子書店はKindleをはじめ増えつつあるが、アプリでは利用できる機能がブラウザビューワにはないこともあるなど、読書体験という点でアプリと比較すると、おしなべてまだ発展途上にある。このため、試し読み(立ち読み)の部分だけブラウザビューワで提供する電子書店も少なくない。
Windowsプラットフォーム向けのアプリというといまさら感を覚える方もいるかもしれない。ただし、Windows PCに接続した大画面ディスプレイで読みたい、何らかの業務中に同じディスプレイ内で参照したい、あるいはWindowsタブレットで読みたい、などさまざまな理由でこれらを欲するユーザーが今なお多いのも事実だ。
ちなみに現在、電子書店のWindows/Mac OS Xプラットフォーム向けアプリの提供状況を幾つかピックアップしてみたものが以下の表だ(ブラウザビューワは含まず)。対応OSまでは記載しないが、Microsoftのサポートが終了したWindows XPは徐々に対応OSから外れ、Windows Vistaもしくは7以降をサポートするものが大半となっている(Kindle for PCはWindows 7以降をサポート)。
電子書店 | Windows向けアプリ | Mac OS X向けアプリ |
---|---|---|
iBooks Store | × | ○ |
Kindleストア | ○ | × |
楽天Kobo電子書籍ストア | ○ | ○ |
紀伊國屋書店Kinoppy | ○ | ○ |
eBookjapan | ○ | ○ |
BookLive! | ○ | × |
honto | ○ | × |
BOOKWALKER | ○ | ○ |
GALAPAGOS STORE | ○ | × |
Reader STORE | × | × |
コミックシーモア | ○ | × |
楽天Koboや紀伊國屋書店Kinoppy、eBookjapan、BOOKWALKERは幅広いプラットフォームにアプリを提供しており、中でも紀伊國屋書店KinoppyはWindowsプラットフォーム向けにデスクトップアプリとWindowsストアアプリの2種を提供するなど、Windowsプラットフォームにしっかりとコミットする姿勢を明確にしている。こうした姿勢はハードウェアベンダーがリリースするPCなどの新製品にアプリがプリインストールされるなどの動きにつながり、地道ではあるがユーザーを増やす一助となっている。
ブラウザビューワは手軽だがヘビーユースには合わないと嘆くKindleユーザーにとって、Kindle for PCのリリースは福音だ。願わくばこの調子でMac OS X向けのリリースも期待したい。
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